二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 時空心中。【イナイレ 隊員募集中 主人公イメージ画UP】 ( No.280 )
- 日時: 2011/04/29 14:51
- 名前: 月影(別PC) ◆kuB5mqYaRs (ID: khxqjExY)
- 参照: どんだけフェイントかければ気が済むんだよって話だよね!
Extra chapter —The first of "Samidare"(『五月雨』の一日)—(昼‐2)
PM12:00。
掃除を一通り終え、復旧完了。
掛かった時間は三十分。
「随分と短かったね」
「悪かったな」
怒り混じりで豪炎寺が言う。
「それにしても、ビックリしたよ」
「?」
吹雪の発言に、一同疑問に思う。
「だってさ、
豪炎寺君の師匠って王女様なんだから」
サラッと凄いこと言ったが、気にしないでおこう。
「あくまで、『剣』だけどな」
豪炎寺が言う。
「ホント、有り得ない組み合わせって言うか「「悪かったな」」
これは円堂が悪い。
「でもさ、どうして豪炎寺は未来に剣業を教えて貰おうと思ったんだ?」
豪炎寺が少し黙る。
「…そんなに、教えたくないことなのか?」
「否、そう言う訳じゃないんだが「だったら教えろよ!」…円堂…」
円堂は眼を輝かせている。
他は呆れ気味。
「そんなこと言うなら、教えん」
「えぇー?!」
無理も無いだろう。
「また後で教える。良いだろう?」
「ちぇー…」
「はいはい、ふてくされない。」
「…」
機嫌を損ねた円堂を見る未来。
表情は笑っている。
どうやら、楽しんでいるらしい。
「豪炎寺」
「?」
「一つ、手合わせしてみない?」
場所は『五月雨』前。
『五月雨』は、城下町の大通り。
店や家が、数多く並ぶ。
大通りを進むと、城の正門がある。
つまり、それは人が多いことを示す。
「こんなに人が多くて大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」
未来と豪炎寺は、距離を置いている。
それに気付いたのか、人々は左右どちらかに避けて通っている。
「じゃあ、行こうか」
「ああ」
「家とか、壊さないかなぁ」
「相手が豪炎寺だ、何とかなるだろう」
「豪炎寺君自身が、配慮するってこと?」
鬼道が、首を縦に振る。
「じゃあ、大丈夫だね」
「先行、どっちが良い?」
「お前に任せる」
「じゃ、私が貰うね」
意外な反応。
「何か可笑しい?」
「いつものお前なら、俺に譲ると思ったんだが」
「ま、いつもならね」
微笑みながら言う。
「でも、一応アンタの師匠なんだ。
そんなに甘くはないよ」
PM05:00。
「で、負けたと」
『五月雨』には、円堂に絆創膏を貼られる豪炎寺の姿が。
「今回の未来は本気だった」
「町並を壊さなかったのが意外だったがな」
鬼道が仁王立ちしながら言う。
「俺も意外だった」
「もしかしてさ、あれはあれで手加減してるんじゃないか?」
珍しく、円堂がまともな意見を言った。
「それは無い」
「え゛」
「残念だったな、円堂」
鼻で笑う鬼道。
何気に、円堂の心に傷が付いたようだ。
「俺の攻撃を全部避けたんだ。勿論、魔法もな」
豪炎寺は、"当たり前"のこととして捉えている。
「まさか、未来は初めからそのつもりで?」
「だろうな。俺が疲れたのを見極めて腹を殴られ、亀裂が入らない程度に地面に叩き付けられて、このザマだ」
「お疲れ様、豪炎寺君」
吹雪が、水に濡れたタオルを持ってきた。
礼を言うと、首にかけた。
「あ、結構マズかった?」
「…まだ居たのか、未来」
出入口から現れたのは、未来だった。
「いやぁ、ウチの姉がちょっとねェ」
「誰でも分かる」
真顔で言う豪炎寺。
だが、無理も無い。
「じゃ、ちょっと此処でご飯を頂きますか」
「「「「此処はレストランじゃない!」」」」
珍しく、未来がボケを発動させたのだった。