二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 時空心中。【イナイレ 隊員募集中 主人公イメージ画UP】 ( No.289 )
- 日時: 2011/04/29 20:32
- 名前: 月影(別PC) ◆kuB5mqYaRs (ID: khxqjExY)
- 参照: サクラちゃんとジュリアちゃんの過去設定は私の妄想でs(ry
【武道会開始10分前】
「良いなぁ、未来は」
溜息をつきながら、噴水広場のベンチに腰をかけるサクラ。
隣には、白斗が居る。
「どうして?」
「だってジュリアと戦えるんだよ?」
「…多分、望んでいるのはサクラだけだと思うけど」
恐らく、そうだろう。
「でも、どうして急にそんなことを?」
「私とジュリアは昔から仲が良くてね。革命前でも、よく遊びに来てた」
「へぇ…」
革命前の『蒼十字国』は荒れた国。
それでも遊びに来ていたのだから、感心するしかないだろう。
「一緒に鍛えあっていったけど、丁度二年前に私とジュリアは別の道を歩んだ」
「サクラはセルファーレに入隊、ジュリアさんは革命を起こして今の女王に…」
「そういうこと」
サクラは、隣にあったシェイクを飲んだ。
味は「ブルームーン」。蒼薔薇の香りが心を落ち着かせる。
「…美味しいんですか?ソレ」
「…結構……美味しいよ…」
薔薇を食べるにはそれなりの根気が必要だ、と白斗は悟った。
「おい、チビ円堂」
円堂は口に含んでいたオレンジジュースを一気に吹いた。
豪炎寺達は見事に避けたが、風丸だけは顔に満遍なく掛かった。
「…円堂」
風丸は若干怒り気味である。
まだ、抑えている方だが。
「下品だろ」
「お前がチビって言うからだろ!」
「事実じゃないか」
「ッ…!」
「ザマァ」
茜は馬鹿にするように笑っている。
事実だから仕方ないが。
「…で、何の用だ」
「お前達は、どっちを見に行くんだ?」
『王女武道会』か『従者武道会』。
どちらも、見物だ。
「んー… 俺は『従者武道会』にするよ」
「意外だな。お前なら即答で『王女武道会』と思ったんだが」
「未来の実力は未知数だけど、よく見たことある。けど、過去さんの実力は分からないんだ」
「いつもは医療に専念してるし」と口早に付け足す。
「確かにな。ま、私は『王女武道会』へ行かせて貰うが」
「そっか」
蒼十字国王室。
「マーク」
去ろうとしたマークを、呼び止める。
「どうした?」
「ルーセントの王女がこんなことを言ってたわ」
「『ミライ・アズナブル=リミテッド』か?」
マークの発言に、ジュリアは目を見開かす。
「…未来は、その名前で貴方達に通っているのかしら?」
「…の様だな。本名は時空未来、だろ?」
「だったら、何故…?」
「ディランから聞いたんだ。そっちの方が詳しいだろう」
「そう…」と、ジュリアが妙に納得する。
「で、何と言っていたんだ?」
「「『ジュリア』の従者が弱いんじゃない、それは普通だ。『私』の従者が強いだけ」と言っていたわ」
言葉を聞いた途端、マークはジュリアに睨みつける。
睨んでいるのは、ジュリアでは無く、目に見えない未来の台詞。
「…聞き捨てならないな」
「あら、言わない方が良かったかしら?」
「否、大丈夫だ。逆に礼を言う」
「?」
「この武道会で、ルーセントの王女を見返すことが出来そうだ」
開始3分前。
「集まったね」
噴水広場にいるのは未来を含む八人の少女。
蒼十字国の民は、このことを知っている為、避難している。
代わりに、サクラ・茜・白斗が居た。
「サクラ達はどういうつもりで?」
「一応、ストッパーの為に呼んだんだけどね。ストッパーじゃなくても、見るってさ」
「じゃ、ルール説明は「無用ですわ」
遮ったのは、屡奈。
「…なら、良いよね?」
未来の言葉に、一同が頷く。
「始めるのは、『時計塔の鐘が鳴ったら』だからね?」
「分かってるよ」
「じゃ、もう少し待とうか」
1分、時を刻んだ。
場所は替わって闘技場。
此方も、過去を含む8人。
だが、少女、と固定しておらず、少年もいる。
観客席には、お馴染みの円堂達御一行。
他国の隊の同僚だと思われる者もいる。
「緑川」
豪炎寺が呼んだのは、緑色の髪をポニーテールにした少年。
桜ノ国フェニックス戦闘隊隊員『緑川リュウジ』だ。
「虎丸はどうした?」
どうやら、『虎丸』という人物を捜しているようだ。
「置いてきたよ。来たらそっちが大変だろ?こっちも止めるのが大変でね」
「それは有り難い」
「『一石二鳥』だからね♪」
緑川はご機嫌良いようだ。
「桜ノ国フェニックス戦闘隊隊長『八神玲名』」
「ローズ国ローズ戦闘部隊隊長『バタップ・スリード』」
「蒼十字国蒼の祈り副隊長『マーク・クルーガー』」
「羽光国ソレイユ戦闘隊隊長『音羽弥生』」
「(あー、面倒臭ぇ…)氷吹雪国氷の支配者隊員『王滝夕斗』」
「影の雷暗闇親衛隊隊長『飛火炎悠』」
「氷不死鳥サリア討伐隊隊長『テレス・トルーエ』」
「ルーセント護衛隊医療部部長『時空過去』」
1人ずつ自己紹介。
「えっと、確認するけど『時計塔の鐘が鳴ったら武道会開始』よ?」
「百の承知だ」
また1分、時を刻んだ。
そして、残りの1分、時を刻んだ。
時計塔の長針が、12を指した。
その途端、時計塔から、安らかな鐘の音が鳴った。
「「さあ、生死を分ける戦いを始めよう」」
そして武道会は始まった。