二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 時空心中。【イナズマイレブン】 ( No.415 )
日時: 2011/05/22 20:39
名前: 月影(別PC) ◆kuB5mqYaRs (ID: khxqjExY)
参照: エクエスさんを此処で出したのは、実は想定外だったり

【老いることも死ぬこともない破壊獣】


















「…何故此処に来た。3つの「最」を持つ錬金術師、『エクエス・ランダリア』」



毛先になるにつれて濃くなる蒼い髪。



右目には漆黒の眼帯。



左目は闇を連想させるぐらい、暗い緑。



口元は、左手に持つ紫色の扇子で隠している。



右手には、輝く黄色の扇子が。



「此処に来て、何か悪かったか?」



「未来を殺すつもりなら、容赦しないぞ」



「見るためだけに此処に来たのだ、そんなことはしない」



「数々の人の命を奪ったお前の言うことなんて、信じられるか」



エクエスの3つの「最」の内の1つ、「最凶」。



錬金術師にして、強さを求めたが故に、数多くの命を奪ってきた。



それも、強豪ばかりを。



そして魔力を吸い取り、我が物としたのだ。



「今はその気では無い。暇な時にでも殺す」



「お前らしくないな。いつもなら真っ先に殺す筈だが」



「ちょっと、お前等の長と話をしてな」



「…何?」



眉間にシワを寄せる豪炎寺。



口元が隠れていながらも、エクエスの口角が上がっている。



恐らく、笑っている。



「まあどうでも良い。我は早く会場に行きたいのでな」



「行かせるか」



「だろうな」



柄を握る豪炎寺。



しかし、エクエスは微動だにしない。



「…どうした」



「1つ訊きたいことがある。会場にジュリア・クラウンは居るか?」



「…居る筈だが」



「そうか、なら良い」



「良くないだろ」



「フッ… それにしても、不老不死もいい加減飽きてきたな」



不老不死。



人間が求めるだろう、叶わぬ望み。



老いることもなく、死ぬこともない。



つまり、永遠に生きることが出来る。



幾ら魔法の世界でも、そんなことは出来ない。



ある一つの方法を除いて、だが。



「その方法が———」



懐から取り出した、妖しい光を放つ石。




















「「『賢者の石』」」




















『賢者の石』



卑金属を金属に変えることが出来、人間を不老不死に出来る石。



そして、錬金術師はこれを作るのに憧れた。



しかし、賢者の石を生み出した者は誰1人としておらず、そのお陰で780年前に錬金術師が遂に居なくなった。



筈だった。



「誰も作れなかったソレをお前は作った」



「膨大な時間が掛かったがな」



「それでその右目も犠牲にしたのか?」



眼帯を指で指す。



「否、違う」



若干驚く豪炎寺。



「強さを求める為に封じているだけだ」



「封じる…?」



「『魔力吸収』を真似たものだ」



小森日の試験の時に使った未来の魔法だ。



「アレにはかなり準備が必要だが…?」



「短縮した代わりに目が見えなくなっている。代償だな」



「…どうやって魔力を吸収しているか、訊きたいところだが…止めておこう」



「眼帯の意味、か」



コクリと頷く。



「我は、右目に魔力を吸収させている。此処ではタンク、と例えようか。
 タンクだから無限に収まる訳では無い。勿論、溢れ出る訳だ。そのお陰で目から魔力が溢れ出る」



「抑える為に眼帯を使ってる訳か」



「そう言うことだ」



「魔力が溢れ出たら、お前達の長も無視出来ないだろうからな」と付け足す。 



「さて、戯れ言は此処までにしようか」



「…まだ殺す気なのか」



「いいや、違う」



言った同時に、豪炎寺は何かを投げた。



素早く扇子を閉じ、懐にしまったエクエスは、片手でキャッチする。



「…これは?」



「俺の携帯だ」



赤に近いオレンジ色の携帯。



因みに会社はド●モ。



「使え。但し、使ったら必ず返せ」



「…は?」



「未来に用があるんだろ。行きたくないならそれで会話すれば良いじゃないか」



「だが…」



「何か問題でも?」



「…否、無い(コイツ、ルーセントの長に似てきたか?)」



「そうか。俺は従者武道会を見ていくことにする」



そう言うと、豪炎寺は飛び降りた。



因みに、戦っていたのは闘技場(従者武道会会場)の屋根の上。



「…何か、変わったか…?」