二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONE PIECE〜そして全てが変わる〜(オリキャラ募集中) ( No.46 )
日時: 2011/03/06 14:20
名前: 高野 蓮 ◆nWrw0f942I (ID: aS9uLd49)

第19話〜撃沈〜

「どうやら捕捉したようです」
「そのようじゃのう」

俺の言葉にニヤリと笑って腕まくりをするのはガープ中将だ。
あちらは原形は民間船とはいえ、ヤバイと思ったらすぐ逃げられるような快速船。
それに対して、こちらは確かに同サイズの民間船と比べれば
相当性能が高いものの、所詮は大型で重武装の戦艦。
速度の差は必然で、まともに追撃戦なぞやってられるものじゃない。
かといって、砲撃の射程に入るにはまだ時間がかかる。
…ただし、この艦にはそれを遥かに上回る射程を持つ相手が今乗っていた。
「拳骨流星群!」
そう、ガープ中将の拳で殴られた砲弾が、
大砲すら上回る連射可能な長距離砲撃として、
飛来するなど東の海の誰が想像出来るだろうか?
フーシャ村の住人ならまだありうるが…
…グランドラインの常識という名の非常識を体現する一撃を
予想だにしなかったサズリの船は、砲撃をまともに喰らった。
海賊船は既に穴だらけ。
急速に速度を落とし、軍艦との距離は急速に詰まっていく。
その光景を、エースとサボは唖然とした様子で見ている。
エースにした所で、ガープ中将の拳骨が物凄く痛いのは知っていても、
まさか船を殆ど拳骨でボコボコにしてしまうというのは予想外だろう。
逃げられないと悟ったのか、海賊達は武器を構えてこちらを待ち構えている。
当然だ、自分達が何をやってきたかは自覚しているだろうし、
例え降伏した所で助命されるとは思っていない筈だ。
それならば、せめて一太刀…そう思う気持ちは分かる。
だが、俺は生憎、それに付き合うつもりは毛頭ない。
「ふむ…どうやら、先頭におるのが船長らしいのう」
船首にいる俺の横にガープ中将もやって来る。
銃を構えている海賊もいるし、まだ射程範囲外とはいえ、
まぐれ弾が飛んでこないとも限らないのだが…
…まあ、この人の場合、鉄塊で弾くか。
さて、どうするか。所詮サズリは小物だ。
小物を相手にして、部下達が怪我をするのも馬鹿らしい。ならば。
「…おい、スティール。」
「はい。」
「「流雪星!」」
…目の前にあった海賊船は跡形も無く消えた。
「いいか、これが海賊の末路だ」  
弱い者から奪い、そして最後は殺される。
普通に暮らす者達ならば嘆く者がいる。死んでも弔ってくれる者がいる。
海賊は違う。常に海軍に追われ、殺される可能性に警戒し続け、
やがてその大部分は殺される。
疫病の発生などを懸念する場合でも、
町や村の人間と異なりゴミとして本来の弔いとは別の場所で焼却されるだけ。
墓も何もなく、死んだ彼らの為に遺されるものは何もない。
まだ、幼いエース達にはそこまでの事は理解できないだろう。
けれど、だからこそ、憧れが現実に押し潰される事を感覚で感じ取っていたのだろう。