二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 『天気—明日晴れになあれ—』 MiNiさんリクエスト ( No.20 )
- 日時: 2011/03/03 19:23
- 名前: 蒼月白星鏡 ◆kuB5mqYaRs (ID: khxqjExY)
- 参照: 如何しよう。最近豪炎寺が描けない。吹雪は描けるのに。
天気は雨。
多数の雨音が、この部屋に聞こえてくる。
こんな奥深くにある部屋なのに、しっかりと聞こえてくる。
屋根から雨が零れる音、雲から降り注ぐ音、地面に着いた時の音___
今まで気にしていなかったのに、今回ばかりは気にしてしまう。
その理由は分かっている。
アイツが居るからだ。
今日ばかりは決めなくちゃならない。
だから、アイツが居る。
如何すればいいのだろうか。
アイツと居るか、別れるか。
決めるのは、
自分だ。
「決まったか、蒼衣」
この声でやっと我に返った様だ。
荒々しいこの声で。
「…」
「またそれかよ」
エイリア学園マスターランクチーム"プロミネンス"のキャプテン『バーン』。
少年と向かい合っている少女の名は『笹禰蒼衣(ささね あおい)』。
二人がいる部屋には禍々しい紫の光がぼんやりと放たれている。
発光源は巨大な美しい紫の石。
彼女が此処に来た理由は唯一つ。
『強くなれる』から。
あの紫の石の力で人は強化することが出来るのだ。
最初は彼女も入ろうとは思った。
しかし、真実を知ってしまった。
学園長である"吉良星二郎"が、この石を使い、世界征服を企んでいることを。
その為に自分達を石の力で強化し、宇宙人と名乗って利用することを。
「…アンタ、分かってんでしょ?」
「あ?」
「世界——だよ」
「何言ってんだかさっぱりわかんねぇな」
「あの石を使って私達を強くして、此処の学園長がそれを利用して世界征服をすることだよ!」
蒼衣の強い発言で、バーンは驚いた。
しかし、すぐに表情を戻す。
「エイリア石のことか?」
「…あの石、そういう名前なの?」
「ああ」
自慢げに返す。
「…何でよ…」
「?」
「何で利用されるのが分かってんのに賛同してんだよって言ったんだ!」
怒りと疑問が混じった声で反発した。
言い返すのも無理はない。
利用されることが分かっていたのなら、普通は抜けるだろう。
それなのに、バーンは滞在した。
理由もないのに滞在するなんて可笑しい。
疑問で聞き返せばよかったのに、"利用される"という怒りで一杯で仕方なかった。
「そんなの、簡単だろ?」
「えっ」
此処に居る理由は深刻なものだと思っていたのか、蒼衣は驚く。
「俺が此処に居る理由は、
強くなる為だ」
「強く…なる為?」
「ああ、強くなる為。それだけだ」
此処に居たのが自分と同じ理由。
しかし、何故強くならなくてはならないのか。
「じゃあ、何で強くなることに拘るの?」
「…目の前で親が殺された、って言ったらどうだ?」
「?!」
元々、エイリア学園は学校ではなく孤児が集う場所。
エイリア学園の生徒、ということは孤児を指しているのだ。
「アレだ、地球で言う"フクシュウ"って奴だ」
あくまで、バーンは人間ではなく"宇宙人"としているつもりだ。
「俺は親を殺した奴を倒す。その為にはそいつよりも強くならなきゃならねぇ。だから滞在する。このエイリア石の力で強くなる!」
バーンの過去を知り、声が出ない。
反論すれば、バーンが怒るかもしれない。
しかし、返答しなければ沈黙が続いてしまう。
「此処でお遊びは終わりだ。本題に戻らなきゃなァ」
「!」
お遊び、それはバーンの過去についてだ。
「如何すんだ?そんなに迷ってんなら、さっさと俺の仲間になれよ」
決心した。
今の蒼衣に、迷いはない。
迷いしか映っていない瞳も、今は違う。
何処か、真剣さが伝わる。
「…私は」
「私は?」
「私は、アンタの仲間に—————」
多数の止まぬ雨音が、部屋全体に寂しく響いた。
≪雨天 —水面に映るは雫に濡れる心情かな—≫
*Postscript(後書き)*
初めてのリクエスト。正直、途中で恋愛っぽくなったのが気がかり、というよりなってる。
如何しよう、恋愛ものの方も受け付けようかな。
けどな、上手く出来ないし。タイトルもあのまま行くと皆さんの小説のパクリになりそうで怖い(?)し。というより在り来たりだからな。
唯、花言葉以外に思いつくものが無いんだよな。如何しよう。
という訳でいったん恋愛ものの方のタイトル変える予定。
結論がどうなったのかは、皆さんのご想像に任せます。っていう風にしたかった。出来たかな?
あ、バーンの過去は私の想像でs(ry
こんな感じで良ければリクエストして下さいな。