二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

雷門学園生徒会! Ep3 ( No.206 )
日時: 2011/04/10 19:31
名前: 蒼月白星鏡(別PC (ID: khxqjExY)
参照: 少女氷姫創作中...(一言。疲れた。

【逆鱗に触れた】















「あのさ、静かにしてよ」

バキッと何かが食い込んだ音と同時に発した声で、今までの騒ぎが嘘の様に静まった。

「騒ぎたいのなら外でやってね。それでも中でやりたいならこうするよ」

無表情の彼女は、床を指した。
一同はそれに釣られて、視線を床へと落とす。
視線の先には、




















       自分の足下まで来た亀裂の発信源と、床に入り刻んだ紅に染まった、少女の体があった。
紅の液体は少女の体の回りにばらまかれている。
液体は、どうやら少女の頭からのようだ。
少女の頭の上には、未来の左足。踏まれていたらしい。
顔は床…否(いや)、亀裂に埋もれていて見られない。

「ひっ…!」

思わず、日奈乃が声を上げる。
それも、無理はない。

「確かに私は「意見を出せ」とは言った。
 でも、「五月蠅くしろ」、「騒げ」とは一言も言った覚えがないんだけどな」

少女の頭はどんどん亀裂の奥深くへ刻まれていく。
苛立っているのか、右足がリズム良く床へと叩きだした。
未来はそんなこと気にせず、踏みにじり続けながら淡々と話す。

「意見というのは理由が付きもの。意見を言うからには、理由も必ず言うのが当たり前。
 君達はさ、理由も考えて言ってる訳だよね?
 理由も考えずに自分の意見を貫き通すなんて、そんなの非常識。
 君達は理由を言う「当たり前」の「常識」が出来ていない。自覚してるよね?
 自分の言いたいことだけ言うなんて、本当に君達、我儘(わがまま)だね」

亀裂に切り込む音が、次第に激しくなっていく。
一同の顔も、どんどん青ざめていく。元から青ざめているが。
叩くリズムも、次第に早くなっていく。

「私、とても期待してたんだよ?理事長が選び抜いた生徒だって。
 私は先代の推薦で勝手になったから困っててね。
 そんな時にその言葉だから、とても嬉しかったのになぁ…
 「常識」が出来ない生徒で本当にがっかりだよ」

未来が一息ついたと同時に、亀裂に入り刻む音が一瞬大きくなった。
少し、力を強めたようだ。
貧乏揺すりをやめた代わりに、此方にも亀裂が少し走った。

「またこんなことするんだったら、次は容赦しない。
 するんだったら、さっき言った通りこうするか、ああするよ?」

























一瞬、何が起こったか分からなかった。
そんな方達の為に、説明しよう。

未来は、黒板をぽんと掌(てのひら)で押した。
力加減も、それ程していない様子だった。
しかし、押した指先から亀裂が走った。
その亀裂は黒板全体へと渡った。長く、長く。
黒板まで走った後、今度は壁まで走った。
黒板が取り付けられている壁一面に大きな亀裂が走り、まるで、蔦(つた)の様だった。

これで終わったのか、と安心したのか恐怖でなのか、一同一息ついた。

その瞬間。










壁は、まるで雪崩のように崩壊した。










未来は、それを分かっていたかの様に、タイミングを早めにずらし、踏まれた少女を後ろに蹴った。
後ろは崩壊中の壁。瓦礫が少女を襲い、埋もれた。
そして、未来が一言。

「一つ訊いて良いかな。どうして、あんなに五月蠅くする必要があるの?」

無表情の未来の顔に、一同が肩を竦(すく)めた。

「理由を聞かせて。大丈夫、何もしないから」

優しい声に無表情の顔。
それだけで充分怖いというのに、未来の後ろがアレだ。

取りあえず、一度整理しよう。
未来の言うことは間違っていない。
と言うより、思いついたのを言っただけなので、理由なんか考えていなかった。
それを言うと、確実に、897%の確率でああなる。つまり、殺される。
では黙ってみよう。黙ってみると、未来の苛々が次第に溜まるだろう。
そうなると、別の方法で自分達に何かするだろう。未来のすることは、命の保証が無い。
つまり、殺される。
適当に理由を作ってみても、それが本当か疑われる。
未来は本当に心を読んでいるかのような発言をする。
9割方当たりので、殺されることは間違いない。

結論。

円堂達は、殺される。

それしか道が無いから、しょうがない。

「ねぇ、早く教えてくれないかな」

クスッと笑いながら未来が言う。
一同は思う。

ああ、誰かを犠牲にしなければ死ぬな、と。

※此処からは、テレパシーのみの会話をご覧下さい※

「(おい、どうすんだよ?!)」←円堂

「(夕k(ry」←豪炎寺

「(春n(ry」←鬼道

「(まさか、僕が行くとでも思ったの?フフッ、行く筈無いでしょ?)」←吹雪

「(え?!俺が行くの?!無理無理無理!え、えっと…和奏行k「(潰すぞ)」←前者風丸、後者和奏

「(ありゃあ、相当キレてるな)」←茜

「(吹雪君の意見に賛s「(日奈乃、幾ら士郎が好きでもそれはないと思う)」←前者日奈乃、後者穏早

「(マモコン連れてくるわ「(…火杏さん、それ自殺行為)」←前者火杏、後者雪羅

「(薔薇を渡せば気が済m「(エドガー、それ自殺行為)」←前者エドガー、後者ロココ

「(オレ、こんなところで死にたくないです…)」←立向居

「(メイド喫茶ェ…)」←フィディオ

「(風m(ry」←途中参加の宮坂

「(鬼d(ry」←途中参加の佐久間

「(お前ら真面目に考えろよ)」←風丸

「(此処は虎丸が)」←豪炎寺

「(ハイ、喜んで!)」←虎丸

虎丸が嬉しそうに未来の前に立った。

「「「「「「「「「「「「「「「「「(マジか)」」」」」」」」」」」」」」」」」

そりゃあ、引きますよね。

「…あっ」

「虎丸君。理由、教えてくれないかな?」

「あ、いや、その…」

本気で意識が無かったらしい。

「その様子じゃ、理由無しみたいだね。



















                  連帯責任だ、全員死ね」

生徒会が行われた教室から、数々の悲鳴が聞こえたのは、言うまでもない。

   —続—
次はちょっと別の話です、えぇ。
学園祭編は、まだ後です。
あれ?催し物決めてない?? 気のせいです。