二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Ep3 ( No.6 )
- 日時: 2011/03/06 12:09
- 名前: 蒼月白星鏡 ◆kuB5mqYaRs (ID: khxqjExY)
円堂達は、山奥に居た。
それは何故かというと、移動中に『星翔中学校行き』と書いてある看板を見つけ、導かれるように進んでいったらこうなった、という訳だ。
「こんな所に学校なんてあんのか?」
「そうだよな。幾ら進んでも学校らしきところは見当たらないしな…」
「逆にあったら凄いでヤンスよ!」
そう言いながらも、キャラバンは進んでいく。
「おい… 学校だぞ!」
「…は?」
確かに、古株が指す先には学校らしき建物があった。
これでもか、という位真っ白な建物が。
「何してるんだ…?」
円堂達の目の前では、生徒がせっせと機材や飾りなどを運んでいる。
「また会ったね、雷門イレブン」
「?!」
何処からか声がした。
見渡しても姿は見えず、幻聴かと思う者もいた。
「いいいいいいいいい今の声、おおおおおおおお化けっスか?!」
「そんな訳ないだろ!しかし、この声どこかで聞いたことある様な…」
「10分経ったら人の事なんてすぐに忘れてしまうのかな?」
「「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」」
「落ち着け!この声の主は何処かにいる筈だ!!」
「何処かに、ねぇ… この姿は誰でも分かると思うんだけどな」
「あっ、あそこ!上だよ!!」
「えっ?」
吹雪が指した先は屋上で、見覚えのある少年が立っていた。
「お前… 廻幽?!」
「全く…君達はそんなに鈍感なのかい?」
「何だと?!」
「落ち着け、染岡!」
「で、君達は何しに来たんだい?僕達は忙しいんだ。明日に向けての学園祭の準備をしているんだよ」
「学園…祭?」
「そう。"誰も望んでいない"学園祭」
廻幽の発言に、一同は頭に疑問符を浮かべた。
「どういう事だ!」
「此処は正式には学校じゃない。
"孤児院"なんだよ」
孤児院。
生まれた時から親と離れた子だけを保護する場所。
つまり、この学校には親を持たぬ子しか居ないのだ。
鬼道と春奈は他の者よりも声は出さなかったものの、眉間にシワを寄せて、大きく反応した。
「孤児院だし、こんな山奥にあるから存在自体が誰も気付かない。
親の知り合いも来ないし、勿論親も来ない。
つまりは、此処に居る生徒と先生しかやらないんだよ」
「じゃあ、何でこんなのやるんだよ!」
そう言うのも無理もない。
簡単に言えば、こんなのをしても『無駄』だからだ。
「理事長が優し過ぎるから。「少しでも、生徒達に笑顔を」っていう理由でね」
その言葉を聞いた途端、沈黙が流れた。
沈黙を破ったのは、
「此処は、何て言う名前の中学校なんだい?」
一之瀬だった。
「ああ、言ってなかったね。此処は
『星翔中』だよ」
その言葉を聞いた途端、一同は凍りついた。