二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: †BLACK†-REBORN!暴君による育成攻略本っ!1up ( No.131 )
日時: 2011/04/07 22:46
名前: ちぃ ◆rNjnDbFHHA (ID: dRfQEy98)
参照: http://secret.ameba.jp/1014-tuna/amemberentry-10841215690.html

リク小説 【暴君による育成攻略本っ!】


育成2日目:優しく声をかけてみましょう。


その怪しすぎるビン底さんは「よろしくおねがいします」と嫌そうな顔で言った


今なんて言った・・?貰う?


て言うかだれだこの人は…父さんの何かって言うのは確かだが・・


そもそも黒雷財閥の息子っていうのすら父さんが死んでから知ったことだ。


「あぁ、僕はキミたちの父の弟ですよ」


「あッ・・」


そう言えば前に聞いたことがある。


「貴方が父さんの…?」


心底信じられないというように骸はビン底さんを睨む


だって父さんはとっても優しかった


人を殴るなんてしたこともないだろう


この人とは違いすぎる


「残念ながらそうなんですよ」


それから時計をビン底さんは見てから言う


「しょうがないからキミたちは僕が引き取りますよ。」


「え!?」


思わず声が出てしまう


「だ、だってまだ知り合ったばかりの人に迷惑かけれなッ・・」


「そう思うんでしたら別に施設に預けても良いんですよ。けど…馬鹿みたいに必死に離れたくないって言っているみたいだったから…それに兄さんの唯一残した財産ですからね。」


「どういう・・」


「兄さんと義姉は手持ちの物は死んだら全て売り払ってキミたちに渡してくれって遺言を残してるんですよ。だからもう何もないんです。」


「そんなッ・・」


父さんと母さんがそんなに考えていてくれたなんて思ってもみなかった…


「そこで、ばらばらになりたくないんなら来てもいいって提案してるんですよ」


「ふーん、まぁ僕はどっちでもいいけど」


そう言うのは三男の恭弥。でも彼も心の奥では一緒に居たいと思っている


「私は一緒にいたい…」


次女の月夜も言う


「骸…どうする?」


「どうする、って…キミもう決めてるんでしょう?」


あきれ顔で言う骸も俺と同じらしい


「弟さん、俺たちを引き取ってくださいッ・・」


そう言って頭を下げる


「じゃあ、もう帰りますよ」


「まだ葬式すんでないよ!」


ビン底さんの発言に反論するのは三女のアリス。俺もそう思う


「なんです?キミたちはここに居る必要はもうないでしょう?」


「それっれどういう…」


「死んだ人間はいくら泣いた所で戻ってきたりしないんですよ?いくら嘆いた所で前には進めないし、いくら過去を悔んだ所で明日は前にあるんだから明日なんて見えないんです。そもそも後ろをみて嘆いてばかりいる人間に生きる資格なんて無いんですよ。」


「…ッ」


「今キミたちは僕が預かるって言ったんです。キミたちの未来は少しは開けたでしょう?これからどうするかはキミたち次第ですけどそれにはまず前を向かなくてはならないんですよ…僕だって後ろばかり向いてはいられないんですよ」


そういうビン底さんの目は見えなかったけど悲しそうに見えたのは俺だけなのだろうか


「て言うことで早くしてください。あと、家に着いたら一人一部屋あげますから僕の仕事の邪魔しないでくださいね。邪魔したら追い出しますよ」


前言撤回、そうでもないらしい


そう言ってビン底さんはドアを開け放つ


外はさっきまでの大雨が嘘のように雲ひとつなく、青空が広がり小鳥がさえずる


執事さんは彼を止めようとするが彼は誰も止めれない


棺桶の中で眠る父さんと母さんを遠目にみた






ねぇ、父さん、母さん。俺たちあの人の言った通りもう後ろは振り返らない。だから、せめて見てて。俺たちがしっかり前を向いて明日に向かって歩いている姿を_____



こうして俺たち兄弟とビン底さんの生活が始まった