二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: †BLACK†- REBORN!第5夜UP ( No.20 )
日時: 2011/02/17 15:22
名前: 神無月Ж伶裡(元ちぃ (ID: dRfQEy98)
参照: 伶裡と呼んでくださいまし←

第6夜 【風紀委員長と王女様】


あの後、また黒い扉で帰ってきた俺たち


扉の向こうはやっぱりあの洋風の部屋だった


「大丈夫だったか」


うん、と心配していた家庭教師に言う。


「そう言えば・・さっきから思ってたんだけどさ・・ここって・・」


「ここ?そんなに知りたいなら窓の外見てみればいい」


どういう意味だ、全く分からず今までカーテンでしまっていた窓を開け放つ。そこには


「えッ・・!?」


見えると思っていたグラウンドは見えず。ましてや窓の外は屋上なんかじゃなく花畑が広がっていた。


辺り一面の花畑。何も建物は見えず、小鳥がさえずる。

その地平線には青い綺麗な空が広がり花が舞う


「こ、ここって・・」


「人間界じゃないぞ。この部屋は元の屋上の空間を切り取って違う空間とくっつけたんだ。」


「そんなこと・・」


「出来るな」


やっぱ人間じゃないんだ、と改めて思っていると「よし」とヴィクトリカは声をあげ、外はまだ肌寒いのでコートを羽織る


「どこか行くの?」


行くなら出て行かなくては。そもそも今皆は授業中のはずだ


今日はもう学校でなくてもいいかな・・なんて思ってしまう


「何を言っているんだ。君たちを守ると言っただろう。」


「うん、それで・・?」


「だから、キミの家に住むと言っているんだよ」


「はぁッ!?」


そんなこと聞いていないと反射的に声が出る


「じゃあ、キミが家で襲われたらどうするのだ。」


「そ、それはッ・・」


言い返せない・・死ぬのは嫌だ、しかも居候が一人増えても母さんは何も言わない気が・・いや、言わないだろう。


むしろ「可愛い女の子ねぇ〜!」といって歓迎するだろう・・


「はぁ・・解ったよ・・それにもう授業出る気になれないし・・」


じゃあ、今から案内する。と言おうとすればリボーンが遮る。


「なにいってるんだ」


「なにいってるって・・」


「今から授業出るにきまってるだろ。」


「え"ぇえええッッ!?」


もう時計は10時を回っている


二時間目の終わりくらいなはずだ


「だ、だってもう今更っ・・」


「今更じゃねぇゾ。お前、来週テストだろ。補習なんてなったら・・」


「行ってきますッッ!!!」


俺は命の危機を感じて一目散に教室へ向かった


「んじゃ、俺も行くか・・」


「お前も行くのか?」


「あぁ、アイツは俺が見張ってねぇと何もやんねぇんだよ。全くダメツナが・・」


ダメツナ・・とヴィクトリカが呟く声をリボーンが聞いていた


「アイツのあだ名だ」


「ダメ・・か・・私にはそう見えないがな・・」


そりゃそうだ、とリボーンは呟き


「本当にダメダメで心まで腐ってる奴だったらとっくに見放してるだろ」


と言った


「じゃあな、放課後迎えに来るぞ。」


「あぁ、」


バタンと扉が閉じられる


次はどんな奴が来るのか楽しみだ、とひそかにヴィクトリカは笑うのであった







応接室


「じゃあ見回りに行ってくるよ」


そう呟くのは並盛最凶の男___雲雀恭弥


「はい!」


バタンと静かな廊下に扉を閉じる音が鳴り響く


「それじゃ・・行こうかな、草食動物の始末にでも」


そう言う恭弥の顔は笑っていた


コツ、コツと階段を上る


そして屋上の扉に手をかける


「今度の草食動物は・・咬みごたえがあるかな・・」


そんな期待を胸にドアを開ける


ガチャッ


「綱吉かぁ?」


幼い少女の声が響くそこは勿論屋上ではない


「ここ・・」


「ん、なんだキミ、綱吉じゃないじゃないか。」


声のする方を見れば白い綺麗な床にごろごろと転がりお菓子を頬張る少女がいた


「君・・」


こんな少女がなぜここに居るのだろう。そして少し期待してしまった自分に呆れる


「小学生が来る場所じゃないし、この部屋どうしたわけ?」


小学生、という言葉にむぅっと頬を膨らます


「私は小学生じゃないッ・・!13歳くらいのはずだ!」


見た目は


「中一には見えないし・・それにその服とかも並中のじゃないし。」


コスプレ?


「並盛中学校の生徒ではないからな」


「部外者は立ち入り禁止のはずだよ」


早く出て行け。腕をつかんだつもりだったが少女は一向に動かない


「君ね・・」


呆れて引っ張ろうとするが、おかしい。全く動きやしない


こんな小学生のどこにそんな力があるんだ。そう思っていると少女は口を開く


「そんなにどいてほしいなら力ずくでどうにかすればいいだろう」


少女は笑いまっすぐ瞳でこっちを見る


「その武器でもなんでも使ってだがな」


そう言って少女は僕が隠し持っているトンファーの場所を見つめる


「ワォ、君ただの小学生じゃないね」


「だから、そもそも小学生じゃないといっているだろうッ・・」


幼いことを言われるのは嫌らしくまた頬を膨らます


「僕は女、子供には手をあげない主義なんだけどね」


「問題はない。思う存分殴ってみればいい」


「そう、じゃあ言葉に甘えて・・咬み殺すとするよッ・・!」


そう言い僕はトンファーを少女にふったつもりだった。


けれど少女にはかすりもしなくトンファーを避けいつの間にか僕の後ろにいた


「っ!」


「わかっただろう。小学生じゃない」


「・・みたいだね」


予想外に少女はトンファーをよけた。まぁ、よけれなそうだったら当てるつもりはなかったんだけどね。


草食動物なんかじゃない。この子も小動物みたいだ


「君、素晴らしいね。名前は?」


「ヴィクトリカ。」


外人・・そう思っていると彼女はお菓子を食べ始めた


「まぁ、迷惑にならない程度なら屋上使ってもいいけど、」


「ん、」


なんだかいい獲物が来たなと思いつつその扉を閉じた_______