二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: †BLACK†REBORN!◆第18夜UP◆ ( No.300 )
日時: 2012/05/12 17:49
名前: ちぃ ◆BtgqVElJ1I (ID: JbPm4Szp)
参照: どっちも自分が正しいと思ってるさ。戦争なんてそんなもんだよ。

第20夜 【夢現-ゆめうつつ- side葵】





「それじゃあもう夜遅いんでみなさん解散しましょうか」


いったのは葵だった


「そうっすね!あんま長居しても悪いですしね」


「それじゃあ一先ず解散ということでぇ」


腑抜けた声の魁がそういえば皆が立ち上がる


「そんじゃあ作戦を考えとくからそれに沿って行動してくれ」


「分かったわ。」


「あ、そ、それじゃおやすみなさいっ…」


綱吉がお休みの言葉というと皆がそれに対して「おやすみなさい」と返した







***


「今日は満月ですね」


「嗚呼、綺麗だな…」


黒雷姉弟が月光に照らされた夜道を歩いていると背後に気配がした


だが殺気ではない


「君たちも帰るんですねぇ〜」


「魁か…」


「今日は春先なのに寒い夜ですねぇ〜…こんな夜には思い出すんじゃないですかぁ…?」


そう意味深な言葉を言う魁に葵が無言で拳を振るう


一瞬の出来事だった


ビュッ、と音を立てて放った拳はバシッ、という音とともに魁が手で止めていた


「…何が言いたい…」


「…いえ、別になんでもないですよぉ…」


「…葵…やめろ、魁も手を離せ…」


無言でお互いにらみ合ったまま動かない二人に紅は言う


ようやく手を放した魁に今度は葵が意味深に言う


「…そちらこそこんな天気のいい星空が広がる夜には思い出すんじゃないんですか」


「…」


魁は何も言わなかった。まして拳を振るうなんてしなかった。


が、じっと葵をにらんだ


「…二人とも、もう今日は帰ろう…満月のせいでおかしくなってるんだ…」


「えぇ…帰りましょう姉さま…」


そういいまた歩き出した姉弟に魁はぼそりとおやすみなさい、といった


そしてそれを聞いた紅は振り返ってお休みと言おうとしたが背後にはもう歩いてきた夜道が月光に照らされているだけで誰もいなかった。






***





















「…ねぇさま…さむいです…」






「…ああ…さむいな…」






「…ねぇさま…おなかすきました…」






「…ああ…おなかすいたな…」






「ねぇ…ねぇさま…なんでかみさまはぼくたちにこんなことするんですか…」






「…なんでだろうな…」






「…きょうは、くりすますっていうらしいです…ねぇ…さんたさんってしってます…?…ねぇさま…」






「…ああ…しってるよ…いいこにぷれぜんとをくれるんだ…」












「じゃあ…それじゃあ…いいこにするから…ずっといいこにするから…おねがいです…さんたさん









ぼくたちに------をください」







***



「ッ!!」


はっ、はっ、と息遣いは荒い


周りを見渡せば静かな寝室だ


どうやら夢のようだ


「…あいつが変なこと言うから………嫌な夢だ…」


思い出したくないことを思い出してしまった、と言った言葉は闇に消えた