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第２０夜　【夢現-ゆめうつつ-　side魁】









無我夢中で僕は走る





暗い森の中を必死に走り抜ける





早く、早くいかなければ…！





けれど　









光の先についた時にはもう遅くて








僕はまた一人で泣き叫ぶんだ









何回も何回も







声が枯れるまで






枯れ尽きるまで口にしてはいけなかった彼女の名を叫び続ける僕を








星空は嘲るようにただ見下ろしている






そして彼女と一緒に見ようとした約束の空は別れの空となった






もし叶うなら君の隣がよかった_______












***








「_______ッ！！！」




彼女の名を口に出して目が覚める


どうやら深夜のようだ


あたりは月光に照らされ青く浮き上がっている


「…葵くんに…やられましたかねぇ…」


そうしてまたおどけた道化師の仮面を被り直すのだ








そっと、一人を求めて彷徨う亡霊だと誰にも気づかれないように_____