二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: †BLACK†REBORN!!300スレ記念UP☆ ( No.325 )
- 日時: 2012/07/02 18:50
- 名前: ちぃ ◆BtgqVElJ1I (ID: JbPm4Szp)
- 参照: http://x110.peps.jp/kokyon7314/free/?cn
リク小説 【暴君による育成攻略本っ!】
育成7日目:あだ名で呼びましょう。
さて、と一息つく葵
さっきは取り乱してしまったらしい。
まあそれは置いておいて、今この家にいるのは
「あおちゃんーかみのけむすべないっすぅー」
「う”…」
このハムスターみたいなのと僕だけだ
時はさかのぼること10分前__
「えッ!?え・・っと…え…?」
綱吉は戸惑ったように何回も「え」を連呼する
「だから君たちも学校行かなくちゃいけないと思うので僕がシアを送っていってあげるって言ってあげてるんですよ。」
うん、何とも上から目線な言い方だ
「で、でも車とかじゃなくて自転車とかでいくんですよ…?」
なんとなくそれが「お前にできるのか」というように聞こえて
「僕にだってそれくらいできます」
と売り言葉に買い言葉で返事をしてしまった
そして今に至る__
「ねーねーあおちゃーん」
そういってハムスターもといシアは僕を見上げる
ていうかいつから僕は「あおちゃん」になったんだ。
「かみのけー!やってっすぅー!」
ああ、鬱陶しいこの小さい生き物は!!
僕も昔はこんな暗黒時代があったなんて思いたくもない
「髪の毛を結べばいいんですか!!」
「うん!!」
「笑顔で返事するのか!!」
怒りっぽい口調で言ったのにいい笑顔で「うん!」と言われもはやなにも言うまい
僕はうなだれた
こんな小っちゃいの触った瞬間粉砕ですよ
まあしょうがない…
「ここに座ってください…」
僕は仕方なく…仕方なく!(大事なことなので二回言いました)ソファに座った僕の足の間にシアを座らせる
「で、どういう風に結べばいいんですか…」
「えっとー…いつもべにちゃんはっすねぇー」
おい、いつもは紅がしてるんじゃないのか
「いつもは紅にしてもらってるんですか…?」
「ううん!いつもはべにちゃんかぁ、ありすちゃんかぁ、つーちゃんだよ!」
「予想以上!?」
くっそ!三人もいつもはいるのになんで今日に限って僕なんだ!!
「じゃあ今日は紅たちに頼んだんですか?」
「うん!」
「うんなのか!」
また笑顔で言われれば僕は思わず突っ込んでしまう
「そしたらね!ありすちゃんがね!おもしろいからあおちゃんにやってもらいなって!」
「アリスかッ!!!」
「どうしたんすかぁ?」
「はぁ…もういいです…時間はいくらこの僕が権力を駆使した所で戻せませんし…で、いつもはどんなふうに結んでるんですか…」
「ふたつむすび!!」
そういってシアは頭の高い位置の両サイドにグーを乗せる
「はいはい…」
前に座るシアからゴムと櫛を受け取り櫛で髪を梳かしてやる
ふんふんとシアは鼻歌交じりに床につかない足を交互にパタパタしている
上機嫌なようだ
ゴムを咥えて右のおさげを完成させる
もともと器用で助かった…いくらハムスターでもボサボサ頭は嫌でしょう
「あおちゃんすごーいっすぅ!じょうずっすねぇ!」
左のおさげも完成した頃シアは僕と向かい合う形で振り向いてそういいながら僕の頭をよしよしと撫でる
犬か僕はっ!!!
「よかったですね、僕が器用で…」
もうこの10分で体力をほぼ使い切り「はぁ…」とため息をついた僕をよそにシアはうーんうーんと何かを考え込む
「どうしたんですか?具合悪いんですか?」
と僕が聞けば
「ううん!もしあおちゃんがやってくれたなら、へたっぴでもうれしいなぁっておもったんすぅ!」
とシアは赤く熟れた頬をそのままにへらっと笑った
「…そうですか」
…馬鹿なのか…?そうなのか…?
そのシアの言葉がなんとなく嬉しい僕も相当馬鹿だ
「まあ髪も結んだことですし用意していきますか」
「うん!」
僕はシアの幼稚園のショルダーバッグに水筒と綱吉が作った可愛らしいお弁当を入れタオルとティッシュをシアの幼稚園のスカートのポケットに入れてやる
最後に幼稚園指定の帽子をかぶせてやってはっと我に返る
これではまるで僕が本当に父親じゃないか!!
ここまでお人よし家族馬鹿がうつっていたとは…
「どうしたんすかぁ?」
頭を抱える僕のそんな考えを全く知らずシアは心配そうに顔を覗き込む
「…いえ…なんでもないです…シア行きますよ」
そういい玄関から出た時だった
シアが僕のシャツの裾をくいっと引いた
「忘れ物ですか?」と僕が聞くとシアは違う、と首を横に振る
「じゃあどうしたんです?」
「シアじゃないっすぅ…」
しょんぼりした様子でシアは呟く
「…は?」
ああ、とうとう馬鹿になってしまったか…と思っているとシアがまたつづけた
「シアじゃなくてしーちゃんっす…」
「は!?」
僕は素っ頓狂な声を出す。なんだって今なんか聞いちゃいけないものが聞こえた
「しーちゃんがいいっすぅ…」
「そう呼べと!?」
こくんとシアは頷く
「なんで僕がそんなふうに呼ばなきゃいけないんだ…!」
するとシアはさっきまでの機嫌の良さはどこへやら、大きな瞳いっぱいに涙を浮かべ「うぅっ」とぐずる
「ちょ、ちょっと!!泣くのはやめなさい!!!」
「だ、だってぇ!!」
シアがいよいよ泣き出しそうになり焦っていると背中に視線を感じた
そちらを見れば奥様方が「あら…黒雷さんだわ…」「いやぁねぇ…虐待かしらぁ…」という声が聞こえてきた
ちなみに今は伊達メガネ装備しているので完全に危ない人扱いだ
何で僕なんだ!!むしろこれじゃあ僕が虐待に合っているようなもんだ!!
「わ、わかりました!!呼びますからとりあえず泣くのはやめなさい!!!」
「ぐずっ…じゃ、じゃあよんでくれるんすかぁ…?」
「そ、それh「うわあああああんっ!!」
「泣くなッ!!!!」
「うー…」というシアははい、じゃあどうぞという様子だ
仕方がない…
ほら一回だと思えば…
犬に噛まれたと思えば(なんか使い方違う気もするが
じゃ、じゃあ…という様子で僕は口を開く
「し、しー…ちゃ、ん…」
くそなんだこの茶番は…
顔が赤くなるのを感じながらこれで満足かっ!というように乱暴にそちらを見れば
「うれしいっすぅ!」
と幼い頬を真っ赤に熟れさせて無邪気に笑うシアもといシーちゃん
「っ…」
嗚呼、本当に調子が狂う____