二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: †BLACK†REBORN!!暴君攻略*育成8日目UP☆ ( No.336 )
日時: 2012/07/28 16:16
名前: ちぃ ◆BtgqVElJ1I (ID: JbPm4Szp)
参照: http://x110.peps.jp/kokyon7314/free/?cn

第22夜 【狐】


鬱蒼とした森に囲まれたヘルシーランドについた頃、紅も葵もただならぬものを感じていた


〈妖気〉だ。


「姉さま…これは…」


「嗚呼、その骸ってやつが人間じゃないのかそれか歓迎されてない奴が紛れ込んでいるか…だな」


「?」


先頭をきって歩いているクロームは話が分からないという風に首をかしげる


紅がそれに気づき「嗚呼、気にしないでくれ」と笑う


「…着いた」


そこは映画館のようでクロームは「私はここまで」と言うように映画館の扉を開けて中に入ろうとしなかった


開けてもらったので足を踏み入れるとやはり妖気を感じる


しかも大物のようだ


「クフフ…アルコバレーノから話を聞いていたのですが…まさか人間の形をしているとは…」 


その葵達からしてみれば侮辱しているような「人間の形」と言うのを聞いて葵は迷わず頭を吹っ飛ばそうとしたが紅に止められ押しとどまる


「姉さまに感謝しろ。姉さまがいなかったら確実にてめぇの頭は吹っ飛んでたぞ」


いつもの薄っぺらい敬語ですらないところから葵の怒りがどれほどのものなのか感じられる


「おやおや、随分物騒な人達だ」


そう話すクロームと同じ奇抜な髪形の青年に紅が歩み寄りながら話しかける


「お前が『骸』か?」


「えぇ、そうですよ。貴女方の話はアルコバレーノから聞いてます」


そう骸が言うと紅はまるで緊張感で張り詰めるこの空気を物ともしないようでへらっと笑った


「そうか、それはよかった。さっきは弟がすまなかったな、あいつはそこら辺の話されるの嫌だから…悪い奴じゃないんだ、どうか気を悪くしないでくれ」


そういい依然全く悪意の感じられないニコッと言うよりヘラっというほうが正しいような笑顔で話す紅に毒気を抜かれたように骸は呆気にとられる


「双子と聞いていたのでそっくりなのかと思いました」


「ああ、よく言われるんだ。」


「どういう意味だゴラ」


「まあまあ」


「それで」と言うように紅が骸に当初の目的を伝える


「事情を知ってるようだから単刀直入に言うが力を貸してほしいんだ」


すると以外にもあっさりと「いいですよ」と返事が返ってきた


「い、いいのか?」


「ええ、その魔界とやらにも興味ありますしね」


まるで自分の知っている世界が広がるというそのことを素直に楽しみにしている骸に「そうか」と笑う紅


それに対して「ところで」と話題を変える葵


「ここには良からぬものがたくさんあるようですが」


「良からぬもの、ですか。くふッ…あながち間違いではないと思いますがね。」


「僕自身そうなので」と妖しく笑う骸に紅はふと気が付いたようにズイっと顔を近づける


「な、なんですか…」


当然骸は焦るのだがその顔の近さが尋常じゃない


「ね、姉さまぁああああああああああ!!」


葵は発狂するしまさに地獄絵図


「やっぱりそうだ!!」


そんな二人をよそ眼に紅はキラキラと目を輝かせ鼻息荒く骸の顔…正しくは右目をじっと見る


「あ、あの…」


いい加減耐え切れなくなったのか骸が紅に話しかけると紅は葵に声をかける


「やっぱり妖気はここから漏れてたんだな!!」


「「…え」」


「ほらこの紅い右目悪魔の目だ!!しかもただの悪魔じゃない、高等悪魔のべリアルのものだ!」


「…まぢですか、これはこれは…」


「あのべリアルとかなんなんですか」


「貴方ほんとに人間ですよね?」


「一応」


「べリアルっていうのは今から約400年前にマテリアルが全力で封印したまあ言うなれば極悪悪魔ってところだな。マテリアルはその当時でも各世界の最強の者たちが集まってたがほぼ全滅だったそうだ」


「で、そんな物騒なもんを目に入れられてるもんだから妖気がだだもれってわけですね」


「まさかそんなものが入っていたなんて僕自身夢にも思ってませんでしたよ」


「だがなんかおかしい」と紅は首をかしげる


「私がさっき感じたのはもっと違うものだったんだがな…」


「それ今僕も言おうと思いました」


「うーん…たぶんこっちのほうだと思うんだが…」


そういい映画館を出る紅に続く2人


「にしても君たち本当に一回死んでるんですか」


「まあ死ぬのなんて簡単ですよ」


「くふっ…確かにその通りだ、生きることよりずっと簡単ですしね」


意味深な会話を無言で聞きつつ妖気をたどっていく


そして辿り着いた部屋の扉を開くとそこには…


「骸さま…?」


クロームがいた


「クローム…ですか?」


「いや、違うな。なあ、クロームお前何か最近拾わなかったか?」


「拾い物…」


「ああ、それなら僕ですが一昨日の雨の日拾いましたよ」


「「!」」


「葵…」


「ええ。間違いありません」


「拾い物次第では厄介なことになるぞ」


「何を拾ったんですか?」


そう問いかける葵に「ちょっと待っててください」


そういってなぜか新品のベッドの上から何かを抱きかかえて連れてきた


「何って、ただの〈狐〉ですけど?」


その一言を聞き骸に抱かれる狐に視線を落とす2人


そしてつぶやいた




「これは最悪な奴ですね」と。