二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: †BLACK†REBORN!!第27夜UP∮キャラ絵UP ( No.375 )
日時: 2012/10/09 19:17
名前: ちぃ ◆BtgqVElJ1I (ID: z5ML5wzR)
参照: http://x110.peps.jp/kokyon7314/free/?cn

第28夜 【その時僕は確かに世界の歯車が壊れる音を聞いたんだ】






ビチャ


足元には先ほどまでは人だった肉片が散らばり歩くたびに葵は眉間にしわを寄せため息をつく


「もうちょっと綺麗に殺ればよかったんですけどね…」


後片付けをどうしよう…と思案していると、ふと思う。


あの憎たらしい似非紳士はどうなったのだろう?




















奴とは数日前からこの裏路地に鼠を誘き寄せるのでとどめを葵が刺すという算段になっていた。


が、


葵は今日奴を見ていなかった。


いつも通りなら奴はひょっこり現れて憎まれ口を叩きながら喧嘩しているはずだ


だが今日は違かった、なぜか胸騒ぎがする。


空を見上げればまだ深夜なので月が爛々と頭上に大きく輝いている。


だが今の葵にはその青白ささえ不気味に思えた。


「気のせいなら…いいんですけどね」


葵は今感じている妙な胸騒ぎに舌打ちした。


ふらりと裏路地から出てみると先ほどは気が付かなかったが爛々と照る青白い月の麓(ふもと)に黒い影がザワザワと天に伸びるようにうごめいている


「あれは…まさか…あの馬鹿ッ…」


違うと否定はしていても心の何処かではあの下にいるのは奴な気がしてしまう





僕は駆け出した。

















***







「はッ…はッ…ッおい!魁!!」


嫌な予感が当たってしまった


ビルの屋上にいたのは


青白く照らされていたのは


皮肉屋の奴だった__


「ちょ、聞いてますッ!!?」


ぐっ、と肩を押せば触れた手から影が浸食してきて反射的に手を放した


そこでやっと奴が口を開く


「…そこにいるのは…あおい…くん…ですか…」


「そうですけど、そんなことは今はどうでもいいでしょう!!この黒いのはなんなんだ…!!」


その黒いものは真っ黒でまるで闇そのもの


「ああ…それなら…だいじょうぶ…ぼく…ちょっと…つかれてしまったので…しばらく…やすませてもらいます…う゛ぃくとりかにも…いっといてください…」


「そんな事聞いてるんじゃないんですけど…!これはなんなんだって聞いてるんです!」


そう問いただせば奴は俯いていた顔をあげてふっと笑った


「よのなかにはねぇ…ふれていいことと…いけないことがあるんですよ」


「何言って…」


「ぼくに…かかわることでさえ…ほんらいなら…たいざい…だから…きみたちはなにも…なにもしらなくて…いいんです…」


そう言った奴の顔は不気味なほどの青白く


いつもは紫の瞳は


紅く紅くギラギラと光っていた


思わずぞくりと悪寒が背筋を走れば


「では…おねがい…しま…す…」


「ま…」


「待て」と言う前に奴は力尽きるように溶けるように消えてしまった


話は済んでいなかったのに


一人残されたビルの屋上にはやはり月明かりが差していて


僕の心に確実に巣食った疑問がどんどん広がっていくような気がした


奴は確かに言った


「関わるだけで大罪」


「世の中には知らなくていいこともある。自分はそっち側の人間」なのだと







「馬鹿ですね…それだけで分かる訳ないでしょうが…」





ふと足元の魔方陣に目が奪われた


その紅い業火のような魔方陣には見覚えがあった


「これは…対悪魔用の魔装銃による魔方陣…何故こんなところに…」


とりあえず持っていた携帯でその魔方陣の写真を撮る


「これから…どうなるんでしょうね…この世界は…」


幾ら悪魔側に寝返ったからといって天使を殺したことに変わりはない













その時僕は確かに世界の歯車が壊れる音を聞いた__