二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: †BLACK†- REBORN!第7夜UP ( No.38 )
- 日時: 2011/03/05 00:09
- 名前: ちぃ ◆rNjnDbFHHA (ID: dRfQEy98)
- 参照: 最近萌えという言葉に過剰反応してしまいます←
第8夜 【ウェルデレトの夜 Ⅰ】
紅い月は血の滴った月_____
「あの日100年前の夜の事を私たち怪物はウェルデレトの夜と呼んでいる」
「ウェルデレト・・?」
「嗚呼、そうだ・・あの殺戮の夜の事をな…」
「殺戮って…」
「私は4番目の娘と言ったな」
「うん」
「だが今王族の者は私と父のみだ…」
「え・・」
「いや、正確にはもう一人居るが・・皆、そのウェルデレトの夜に殺されたのだよ…」
その顔には苦痛がにじんでいる
「ウェルデレトの夜って・・」
「ウェルデレトの夜…血塗られた晩餐、その日魔界で大殺戮が行われた。」
「殺戮って・・じゃあその時に・・」
「そうだ、私の家族は死んだ。話せば長くなる・・」
窓をたたく雨は激しくなっていく
100年前____
当時魔界で私には3人の姉がいた
中でも私は一番上の姉が大好きだった
名はマリア、マリアは優しく、怪物には似つかわく天使のようだった。
そのマリアとおそろいの金色の髪が、紅い瞳が私は大好きだった
そんなマリアがある日突然一人の男を連れてきた
「マリア…その男は誰だ…?」
「あ、ヴィクトリカ!・・居たのね!」
そう言って嬉しそうにほほ笑むマリアは本当にうれしそうだった
「彼はルシフェル、私…彼と結婚しようと思うの…」
「え…」
突然の事で解らずマリアの後ろに居る男を見た
男は紺の毛髪に黒い闇夜のような切れ目をした男だった
「よろしく、ヴィクトリカ」
そう言ってほほ笑む男の目は笑っていなかった
どこか嫌な感じがしていた私だが私は姉の連れてきた人なら…とその男を見逃してしまっていた
そう、油断していたのだ、皆…
ルシフェル、どこかで聞いたような名だった。
しかし思い出せなかった…あのとき思い出していれば____
ちょうどその時父は怪物が出たという事を聞いていて城を出ていた
ルシフェルは城に住むことになった
母も喜んだし2人の姉も喜んだ
その男の仮面を見破る事など出来なかった
父が帰ってくると言っていた晩、その日が来た
マリアがバルコニーで月を見ていた
私が話しかけるとマリアはほほ笑みこう言った
「私今、凄い幸せなのよ…もう恋なんてできないと思っていたから…人生最後にこんな幸せなときを過ごせて嬉しいの…」
「そうか…」
姉は不治の病だった
吸血鬼をも殺してしまう病に医師もお手上げだった。
余命は長くて半年、結婚してもあっという間に死を迎えてしまうだろうにマリアは嬉しいと笑う
「マリアはあの男を愛しているんだな…」
「えぇ・・あの人に魔界もついでもらおうと思う…」
「そうか…」
「お父様もいいって言うわ…彼には悪いことをすると思う…すぐに私死んじゃうもの…」
月光で照らされたマリアの瞳から雫がこぼれた
「・・・・」
私は何も言えなかった。
「駄目ね私…すぐ泣いちゃう…ヴィクトリカよりお姉さんなのにずっと弱いわ…」
本当は違うと言いたかった。
でもマリアが強いというから、そう言うから私は泣かないし、強くいなければならない
「もう冷える…身体に障るから寝たまえ…」
「そうね…」
そして私は姉を一人残し部屋に向かった
帰る途中ルシフェルと擦れ違った
「ヴィクトリカ、おやすみ」
「・・・・・」
私はルシフェルが嫌いだった
奴は嫌な感じがする
ルシフェルはそのまま長い廊下をあるいてゆく
そう言えばアイツは今どこから出てきた・・・
見れば玄関と繋がる一番奥のドアが開いている
嫌な予感がした
かけて行きドアに手をかけると私の視界を・・・赤が独占した
「な、んだ…これ、は…ッ」
赤、赤、赤・・・一面に広がる赤い海は血の海だった
メイド、執事、皆殺されていた。
その中に母も2人の姉もいた
皆、殺されていた…
そして思い出した。なぜあの男だけ無傷で出てきた・・?
答えは一つだった。
あの男が殺した_____
そしてアイツはどこに向かった…
「ッ・・マリアッ!!」
マリアの部屋に向かう
あの男は私と擦れ違った…ということはマリアの部屋の方に行ったということだ
「マリアッ!!」
勢いよくドアを開けると血なまぐさい匂いが部屋いっぱいに充満する。
「マ、リア…?」
床には血が滴る
そして開けっ放しのバルコニーからは月光が差し込み暗い部屋を照らす
そして影を創る
ルシフェル・・奴の右手はマリアを貫通しその腕は掲げられている
奴が腕を振り下ろすとグシャっと嫌な音を立ててマリアが床に転がる
奴は返り血で赤く染まっていた
「お、前ッ…やは、り…お前はッ・・」
「ヴィクトリカ、どうしたんだい?そんな怖い顔をして」
「貴様ッ!!何をしたのか解っているのかッ!!!」
「解っているさ、お前たちだってしたんだ。私はそれを返しただけだよ」
「何を訳のわからない戯言をッ・・!!!」
「キミは生きればいい。私のように、絶望で埋め尽くされたまま生きればいい。」
「貴様はッ・・・ここで殺すッ…!」
そう言った時、ドアが勢いよく開いた
「…お前は・・」
「お父様ッ・・」
父が戻ってきた
「久しぶりだな、レリエル」
「ルシフェル・・貴様か・・・」
「お父様・・なぜこいつの名を・・」
「ルシフェル・・・悪魔界の王だ…」
「ッ・・」
思い出した、悪魔界の王の名はルシフェルだ…
「レリエル、お前がしたことを返しに来たぞ」
お父様は床に転がるマリアを見ていう