二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: †BLACK†REBORN!!第27夜UP∮キャラ絵UP ( No.382 )
日時: 2012/10/21 02:58
名前: ちぃ ◆BtgqVElJ1I (ID: z5ML5wzR)
参照: http://x110.peps.jp/kokyon7314/free/?cn

第29夜 【朝ごはんを作らなきゃ】








ビルの屋上でずっと考えていた


あの言葉の意味と奴の正体について。


ぼーっとしているといつのまにか朝になっていたようでビルの群れの向こうから朝日が昇ってくるのが見えた


「無駄に変な言葉残しやがって…あの野郎」


誰も聞いちゃいないと思うのと、段々怒りがこみあげてきて言葉も自然と汚くなる


「…そんなことであろうと思った」


「ヴィクトリカ…」


誰もいないと思っていた屋上はどうやら僕以外にも居たらしく、振り向けば見慣れた顔のヴィクトリカが何時ものゴスロリ姿で黒い日傘を差して立っていた。


「魁の奴のこと…気になるか?」


「…変な言い方やめてくれます?僕はただアイツの言葉の意味を考えていただけです。」


「そうだがな…そろそろお前達にも言う頃合いとは思っていたのだ」


「何をです」


妙に真剣な顔で朝日を見つめるヴィクトリカの横顔を見ながら聞いた


「魁の…正体とかだ」


「…あぁ、それですか」


話しているにも関わらず太陽を見つめたままのヴィクトリカの横で僕も太陽を見つめながら言う


「なんとなく人間じゃない気はしてましたよ」


「…」


「あんな人間嫌だ…というか、同じ種族と思いたくなかったですし」


「…おい」


呆れ顔でふとこっちを向く視線を感じたが僕は太陽を見つめ続けた


「…というのは冗談で」


「半分本音だろう」


「只ならぬ雰囲気は感じていましたし。この身体になってからそういうの敏感になったんですよね」


「まあそうだろうな」


「でも」という声にヴィクトリカの「なんだ」という視線を感じる


「でも、まあ正直僕的にはアイツがなんであっても良かったんです。ムカつくからぶっ殺すだけですし。」


暫くの沈黙


そして沈黙を破る


「でも今回の件でちょっと興味が湧きましたよ。そういわれば僕らはヤツのことを何も知らない。一体どこからやってきたのか。奴はいったい何なのか…とかね。だから僕は…」


「分かった、もういい」


「は?」


「一旦落ち着いたら皆に奴のことを話す。だが一つ確実に分かっていることがある。」


「…なんです」


ヴィクトリカは今度は太陽を見つめずに僕の顔をしっかり見つめていった


「奴はこのまま戻ってこない気だ」


「!!」


「奴はな、大罪を犯してしまったのだ。その昔にな…とりあえず、お前も帰って寝ろ。話はそれからだ。」


ヴィクトリカはそのままビルの手すりに立ち落ちる


でも僕はヴィクトリカがきっともういなくなっていることを知っているから下を覗き込まなかった


「はぁー」と大きくため息をつき僕は手すりに背中を預け、肘を手すりに後ろ手で引っかけそのまま上を向く


空にはもうすっかり青空が広がっている


「全く…どいつもこいつも馬鹿ばっかだ…」


そのまま空を仰ぎながら瞳を伏せれば少しは気が軽くなった気がした


気のせいなのかもしれないが今の僕には十分なほどの息抜きだった。


「それじゃ、帰りますかねー…、って…あ……姉さまの朝ごはんを作ってない……僕としたことが…迂闊でした…」


「もし姉さまがおなかを空かしていたら自分が許せないのは目に見えてますし。これは姉さまが起きるまでに帰って作るしかありませんね…!コンビニ食やカロリー●イトなんざではバランスが許せないですし…!!」


ビルの屋上でひとりごとと言うには余りにも大きすぎる独り言をぶちまけ、ぶちまけた当の本人は家に向かって走り出した。






その独り言はまるで自分を切り替える為に言い聞かせてるように聞こえた