二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: †BLACK†- REBORN!第12夜UP ( No.92 )
- 日時: 2011/03/29 14:28
- 名前: ちぃ ◆rNjnDbFHHA (ID: dRfQEy98)
- 参照: http://secret.ameba.jp/1014-tuna/amemberentry-10841215690.html
第13夜 【鎖】
「ただいまー!」
綱吉は家に帰ると声をかけたが返事が戻ってこないことに気がつく
「あ・・母さんたちいないんだっけ・・・」
「おじゃましますー」
「お邪魔します」
勿論あの姉弟を連れて帰ってきた
「誰も居ないんですか?」
「うん、ちょっと色々あって…」
「でもご両親居るんだろう?」
「親は居るよ?」
いきなりどうしたんだ、というように紅を見ればどこか悲しそうな顔をしていた
「…」
葵はそれをじっと見ていた
「あ!ヴィクトリカ!!」
「遅いぞッ!!私がどれだけ心配してやったことか!!」
いきなり階段をドタドタと降りてきたヴィクトリカに驚いていればいきなりまくし立てられた
しかもその顔はちょっと(かなり)むぅっとしていて
「ご、ごめんて!そこで紅と葵くんにあったから、」
ん?と言うように俺の後ろに目を向ければニッコリしている葵くん(俗に言う営業スマイル)と紅を見つける
「お前ら遅いぞッ!」
「酷いですね、僕だって変な学ランに追いかけられて大変だったんですよ」
「まあまあ、ここにお前は住んでいるのか?」
「そうだ」
「契約したって聞いてますけど…」
「そうだ、契約した」
葵くんはその言葉を聞きはぁ、とため息をつく
「え、と・・あの、ここじゃなんなんで俺の部屋にでもドウゾ…」
俺は自分の部屋に3人を招いた
俺の部屋には椅子は1つしかないのでヴィクトリカにそれは貸し、葵くんと紅ちゃんはベッドに、俺は床に座布団を敷いて座った
「それで、契約の話なんですけどね、貴女綱吉くんには契約内容言ってなかったそうですね」
「嗚呼」
「なんで言わなかったんですか?そう言えば僕らと契約する時もそうだったですよね」
(葵くんと紅ちゃんと契約したとき…?そういえばなんで2人は契約したんだろ…)
「目を見るためだ」
「目・・?」
「嗚呼、あのときはお前らも子供だったな…7歳だったか…大人になれば馬鹿な考えを持つ奴らがでてくるのだよ」
「馬鹿な考え、ねぇ・・」
「不老不死、ずっと若くいたい、美しくありたい、永遠の命…そう言う妄執に取りつかれた大人がな…」
紅は今まで伏せていた紅の瞳をゆっくり開く
「確かにな、私たちもそんな人間を何人もみてきたさ、なぁ?葵」
話を振られた葵くんはふふっと笑って言う
「えぇ、僕らが契約を結んで半不老不死ということを聞いてやって来た奴何百人もみてきましたよ」
「なんで葵君たちは狙われたの?だって、契約結んだのはヴィクトリカじゃ…」
「その通りですよ、全くいい迷惑です。噂が…」
「噂が立ってるんですよ、不老不死の血肉を食らえば不老不死になれる、ってね」
その瞬間俺は葵君の表情を見て背筋がゾッと凍りついた
葵君の笑みはさっきと同じ笑みのはずなのに
なのにその笑みには憎悪が渦巻く悪魔の笑みのようだったから
「不老不死になりたい奴らの考えなんて知らないし、知りたいとも思わないけれど…今あるそのたった一つの命を捨てて永久の命なんて妄執に取りつかれた奴見ると…反吐が出るんですよ」
明らかに一気に空気が冷たくなった
「こうして、人間でありたかった人間だって居るのにね」
そう言い終わった葵君は俺を見て悲しそうに笑った
「あ…」
葵くんだけじゃない、紅も悲しそうに笑う
「だから私は、お前らに契約内容を言わなかった、守るものがあるのか、それだけ聞きたかった。もし半不老不死になれるなんて言ってソイツが永遠の命を望んでいたらきっとそれは誰の為にもならない契約になってしまうから…」
「試したって事ですか」
「そうだ」
「まあ僕らは貴女に縛られてるただの操り人形なんですけどね。呪縛から解き放たれるその時まで…」
俺は思った
葵くんも紅もこの戦いから逃げることはできないんだと
だって
あの二人をこの世に縛りつけてるのは
契約という名の鎖だったのだから_______