二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man -contrast- ( No.50 )
- 日時: 2011/02/23 18:17
- 名前: 蛍 ◆LU8WrcLlXI (ID: wJNgr93.)
6———
とても容易に近づくことのできない氷結の波の連続攻撃にカレンたちは手を焼いていた。
「こうなったら私があいつの攻撃を止める! その隙に二人はあいつを捕らえてくれ」
ティナが先行し雪女の襲い来る氷結の波を次々と打ち消していく。
その隙にカレンとアーノルドが後方へと回りこむ。
カレンは自分の対アクマ武器を発動した。
カレンの対アクマ武器は肉厚の長剣で鍔は荘厳な金細工を施されている——カレンや教団の趣味ではなくもともとこういった形状で発見されたのだ。
その剣はイノセンスの力で光の力を得る。
カレンは光球を雪女の足元に放った。
雪女が衝撃で一瞬のけぞった時を見計らいアーノルドが捕らえようとした。
その時だった。今まで沈黙していたアクマが動き出した。アクマを覆っていた氷にひびが入っていた。
「くそっ、こんな時に!」
次々とひびは増大していき、ひびは亀裂と化し大きな音を立てて氷が爆ぜ飛んだ。
「よおくもやったなあイノセンス!」
氷が飛び散ると同時に中から現れたアクマは激しく怒号を上げた。
三つまたに分かれた尻尾を奮い立て低い体制をとる。そして、一瞬にして高く高く飛び上がった。
勢いをつけ狙いすまし雪女に飛び掛る。
———早い!
アーノルドが慌てて構える。そして、アクマの前足が雪女を捕らえる直前、間に割り込んでその攻撃を彼の武器——盾で防いだ。
アーノルドはその衝撃を受け止め思いっ切り投げ飛ばす。
遠く飛んだアクマは雪に埋もれ見えなくなった。
「アーノルド!」
ティナの声が響いた。
後方から襲い来る冷気にアーノルドの反応は一瞬遅れた。
かろうじて氷結の波の進行を盾でそらしたが、その波が彼を覆うように飛散し雪女と彼との間の氷の壁となってしまった。
「くっ、仕方が無い。悪いがティナたちはイノセンスを頼む。俺はこいつを破壊してから合流する」
アーノルドの判断は早かった。壁の向こう側に届くよう大声で叫ぶ。
アーノルドの視線の先には雪から這い出した怒りに身を震わせるアクマの姿があった。