二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.10 )
日時: 2011/02/18 19:57
名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: VxqablIi)


『僕の side千鶴』


あなたが辛いとき
私は気づかずに笑っていたかもしれない
いつだってあなたは強くて
弱さを人に見せようとはしなかった
だから気づくのが少し遅れてしまった
というのは言い訳かもしれない

でも本当に
あなたの辛さに気づいてあげれなかったことを
許してください



「君は、僕の……」


涙がでた
初めて弱さを見せたとき
初めて私を求めたとき

いろんなあなたを見て
私はもっとあなたを好きになった
もっとあなたを見たいと思った



その夜部屋に戻ると
私は寂しさで胸が苦しくなった

さっきまであなたをそばで感じていたのに
あなたがいない未来が怖くて
ただひたすら寂しくて
涙が止まらなかった


知っているから
あなたがずっと
私と一緒にいてはくれないこと

それでも私はあなた意外と
一緒に歩こうとは考えたくなかったから



少しでも
一瞬でも長く沖田さんと生きたい
私にできることはすべて
あなたのために成したい

あなたが私の心にい続ける限り
私があなたの心にい続ける限り
私はあなたに尽くしたいんです



いつのまにか眠ってしまっていた


夢のなかで沖田さんがいた
彼は私に


『傷つけてばかりでごめんね
泣かせてばかりでごめんね
でも
愛してくれて
一緒にいてくれて
僕はそれだけで十分嬉しいから
僕のすべてをあげるよ
だからお願い
君のすべてを僕にちょうだい

どうか僕を許して
君を残して逝ってしまう僕を
償いに僕は残された人生を
君に尽くすから

僕らの最後はきっと
君の涙で終わってしまうだろう
だから最後に
悲しみで終わらないで
どうか僕の前で
君の笑顔を……』




目が覚めた
そのとき頬を一滴の涙が流れた

そうか
怖いのは私だけじゃない
彼もきっと
私と離れることを
恐れてくれてるんだ



私は沖田さんのところに走った
早く 早く伝えたくて



「沖田さん!!」


沖田さんの部屋に入ると
彼は驚いた顔で私を迎えてくれた


「おはよ、千鶴ちゃん。
どうしたの?
そんな慌てて」

「あの!わたし…」


私のすべてを
あなたに


「沖田さんが欲しいです!!」


勢い余ってとんでもないことを言ってしまったこと
すぐにわかった
でももう止まらない
これも本当のことだから


「ふ、あははっ」


沖田さんはお腹を抱えて笑い出した
私は急に恥ずかしくなって


「そんなに笑うことないじゃないですか!!」

「ごめんごめん///
だっていきなりだから」


沖田さんは優しい笑顔で
私の頭をポンとなで


「いいよ。
僕の全部をあげる」

「え…」

「僕は君のものだよ。
だから
君を僕にちょうだいね?」




私達の未来は
もしかしたらあと少しかもしれない
それでも私達が今こうして生きていることは本当で
あなたが今こうして笑ってくれているから


「私は沖田さんのものです!」



私はあなたを
愛しています




−完結