二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 〜恋雨録〜 ( No.20 )
日時: 2011/02/26 01:00
名前: うい ◆U2fwXad6qI (ID: BHyaz.jF)

>>20


俺は石田散薬を持って雪村の部屋に向かう
今日はやや日が暖かい
あの雪うさぎが溶けまいか心配だ


「雪村、入るぞ」


部屋に入ると
布団の中で雪村が眠っていた
額には汗が滲んでいた


「雪村、起きれるか」


一応声をかける
雪村はまぶたをゆっくり開けが
少し辛そうだ


「斎藤、さん?」

「雪村。起きれるか」

「はい、大丈夫です」


無理に笑顔を見せ
起き上がろうとするのを手伝う
背中を支えるが
雪村の体はとても熱い


「薬だ。
飲むといい」

「石田、散薬?」

「石田散薬は土方さんの実家で作られている。
とてもよく効き、風邪などすぐ治る。
飲めば雪村もすぐ良くなるだろう」


雪村はそれを聞くと
ずっとその薬を見る


「なんだか、妬けちゃいますね」

「どうした?」

「斉藤さんは、本当に土方さんが好きなんですね」

「なっ!?///」


雪村は呆れたように笑って俺を見る
そんな俺はなぜか
ものすごいことを言われたようで
恥ずかしくなる


「あ、赤くなった」

「ちがう!急に何を言うんだ!!」

「だって、土方さんを本当に尊敬していらっしゃるから
なんだか寂しくなってしまって」


寂しそうな顔で言う雪村を見ていると
なんだか胸の奥が切なくなってきてしまう


「お、俺が好きなのは
雪村以外、いない」

「あ……」


きっと
俺の顔は真っ赤で
声は震えているだろうな

しかし
こんなにかわいらしい雪村を見ることが出来て
雪村が俺に妬いてくれて(副長相手だが…)
なんだか心が満たされていた


「斎藤さん」

「なんだ?」

「私も斉藤さんが大好きです」


本当にこの女子は
俺を惑わせるのが得意だな



−続く