二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン☆大好きな、君だから☆ ( No.198 )
日時: 2012/01/04 14:33
名前: みかん (ID: gHpB4F6k)

第十二話:こっちだってモヤモヤ。
ー五月。いよいよ稲妻学園体育祭の季節がやってきた。学園の生徒達が紅白二組に分かれて一時的な対立を起こす、この伝統ある体育祭。
スポーツ名門校である学園の生徒たちにとっては、各々のプライドにかけて意地でも負けられない戦いが始まる。
それは今も同志の雷門中学出身メンバーにも同じく、付き合い始めて二年が経過してもなお未だ初々しいカップルの守と冬花にも同じくして起こる、一時的な競争心・ライバル心の発生源でもありー…、
「っしゃあ!見てろよ、ぜってーオレら紅組が優勝するからな!
な!豪炎寺!鬼道!」
「そんなことないってば!白組が優勝するに決まってるんだから!ねえ風丸くん!秋さん!」

円堂守、久遠冬花、付き合い始めて二年の時が経ちまして…。
ただ今、初めての対立中です!!



*****
「…で?紅白二組で起こる体育祭の対立の凄まじさだって、熱血運動バカなあの円堂くんが体育祭に燃え上がることだって、前々から分かってたことでしょう〜?
な〜にをそんなにふて腐れてんのよ、冬花ちゃんは?」
寮の自室に戻るなりベッドにダイブして枕を抱きかかえている冬花の様子に、呆れた紅葉が鼻で笑いながら言う。
「だって、だからって…あんなにキレイにスパッと割り切れることなくない?朝だって図書室でだって帰りだって守くん、体育祭の話ばっかりしてるんだよ?
ちょっとだって前みたいにロマンチックなムードにならないし…」
言いつつ更にふて腐れた冬花に、いつの間にやらもう私服に戻った紅葉は苦笑した。
あーもう、彼氏いない同室相手にここまで惚気られちゃうかあ、こいつは。しかもたった二年前は、あんたの彼氏争ってた女だぞ、あたしは。
隙だらけで恋人バカなベッドの上の同室さんに内心まだ苦笑しつつ、
「まあまあ、そんなんで体育祭までの後二週間持つのかしら?」
少しだけ茶化して、紅葉は先に食堂へと向かった。



*****
翌日。今日は放課後応援団のミーティングがあるので先に帰っててくれと守から久々のメール(これだって最近はあまり使わなくなってしまった)を受け取った冬花だったが、少しだけ待ってみたくあって円堂の教室まで覗きに来てしまった。
…だって最近は一緒に登下校したって以前のようには会話が弾まないのに、たとえ一回でも一緒に行かなかったらますます距離ができてしまいそうで。
フッと何気なく教室の前を通りかかるフリをして一瞬だけチラリと中を覗いて…、
ー冬花の動きが一瞬止まった。
中では休憩中なのか雑談をしている各学年、各クラスの応援団員と、それから…、同じく雑談中の守と南美の姿が。
…あれ、南美は私と同じF組だから守とは敵同士じゃなかったっけ。
…ああ、そっか。応援団同士は一応応援団という一つのチームメイトでもあるのか。
…じゃあそれが分かっているのにどうして私はこんなにも動揺しているの。
頭の中が不安と嫉妬でぐるぐるしてモヤモヤする。
「…守くんの、バカ」
冬花は生まれて初めて守に対して心からそう思った。