二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン☆大好きな、君だから☆ ( No.51 )
日時: 2011/08/24 13:25
名前: みかん (ID: JJibcEj3)

第二話:入学式前。〜冬花の葛藤〜
「お待たせ守くん!」
「おう!おはよ冬っぺ!」
2人がほぼ同時のタイミングで家を飛び出してからわずか5分後…。
珍しく先に来て冬花を待っていた円堂に冬花が声をかけると、彼は一気に満面の笑みを作ってあいさつをしてくれた。
FFIが終わり冬花が転校してからは家が隣同士なので登校時や外出時にわざわざどこかで待ち合わせをする必要は無くなったのだが、それでも時々あえてこの駅で待ち合わせる事があるのは、冬花の乙女思考に原因がある。友達や秋が「彼氏と外で待ち合わせてる時、遅れてきて必死になって謝る姿が可愛い」と言われるとついついそんな円堂の姿も見たくなってしまう…というのが冬花の乙女思考と言うか本能だ。(まあ幼馴染みでもある関係で今更そんな姿もこんな姿もへったくれも無いのだが…。)
私のこんなちょっとしたささいなお願いでも守くんは嫌な顔一つせずに受け止めてくれるんだよなー…。
それが冬花の頬を自然と緩ませる。冬花もにっこり笑っておはよう、と返した。

*****
入学式の前に一度寮を見てこよう!と言う事で円堂と冬花は一度学園の前を通り過ぎ、裏の寮舎へと向かう事にした。
裏の道へまわろうとするとどうしてもその間に学園の上級生や先に寮舎に荷物を置いて来た同じ入学生とすれ違わなければならない。
そうすると彼らの目線といえば当然、あの『世界一のゴールキーパーでありキャプテン』の円堂への憧れのまなざしと、そんな円堂の横を並んで歩いている冬花への嫉妬と羨望の眼差しである。
先程からも前後左右から
「きゃー!円堂さんだよ見たー?」
「見た見た!はー、もう!何あれ超可愛い…!」
「あ、ねえねえあの子。ホラ円堂さんの隣の。彼女かなー?可愛いね」
「えー?たしかに可愛いけどちょっと地味じゃない?」
などの会話が聞こえてくる。
彼らの頭に彼女、という単語が浮かんでくれるのは嬉しい事だが地味、というのは…。
地味で内気な自分には明るくていつも皆の中心な円堂は勿体無いくらいの彼氏なのを自覚している冬花にとっては内心ちょっと傷つくものであった。