二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン☆大好きな、君だから☆ ( No.52 )
- 日時: 2011/07/20 22:20
- 名前: みかん (ID: 784/wjkI)
第三話:いよいよ入学式!
そんなちょっと傷心気味の冬花はさてと置かれ。
2人は寮に着くや否や寮官室へ荷物を置くと、その中から通学用のかばんだけを持ち、学園へと引き返した。
学園に着くと新入生は先輩の案内により早速体育館へと向かわされる。
ふと体育館の時計を見ると入学式開始予定時刻のわずか15分前で、どうやら式の準備自体はもう済んでいるようだった。−あとは新入生待ちと言ったところか。
それから暫く暇を持て余し、ボーっとしていて…。
やがて周りが徐々に静かになってきたのを感じて前を見ると、入学前の紹介パンフレットで見たことがある校長先生がマイクを持って壇上に上がっている。
ーああ、いよいよ入学式が始まるんだ。
そう感じると何だか胸がドキドキしてきて…。冬花はほとんど無意識のうちに自分の胸に手を当てていた。
これから始まる、新しい生活。
新しい学校、新しい友達、新しい先生…。どれもが新鮮でワクワクする分、不安の要素もまた十分にある。
もしかしたら突然、クラスで浮いた存在になってしまうかもしれない。
もしかしたら朝の様に、また円堂の彼女としては釣り合わないと言われてしまうかもしれない。
もしかしたら、もしかしたら、もしかしたら…。
冬花の頭はまだ有りもしない『もしかしたら』を考えてしまっていて。
それを認識するとまた…、心なしか鼓動が早くなっている気がした。
ー馬鹿。私の馬鹿。縁起でもない事を言うな想像するな。
大丈夫。きっとその『もしかしたら』が起きても私は耐えられるから。
過去と向き合う事が出来た私は、少なくとも前の…。色んなことから逃げていただけの私よりも強くなっているはず。
暗示をするように、落ち着かせるように自分にそう言い聞かせた冬花は胸にあてていた手をそっと首元のペンダントへと移動させ、一つ大きな深呼吸をする。
まるでその一連の動作が終わるのを待っていたかのように、校長の低い声で「起立」という号令がかかった。