二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン☆大好きな、君だから☆ ( No.63 )
- 日時: 2011/08/24 13:27
- 名前: みかん (ID: JJibcEj3)
第四話:帰り道。
そんなこんなで冬花が緊張しまくっている間にも入学式は着々と進んで行き…。
気がつけばもう夕方になっていた。冬花は守と2人で寮への道を歩く。もう少し経って高校生活になれる頃には自然とこの道が『寮への道』から『帰り道』になるんだよなー、なんてどうしようもない事を考える。そんなどうしようもない事でも、今の冬花には新鮮で楽しくてしょうがない。無意識のうちに頬が緩んでいたようで、守もそれを見て嬉しそうな顔をする。
「今日はご機嫌だな—、冬っぺ」
「え?そうかなあ…。
…うん、そうかも。勿論これからの生活に不安もあるけど、やっぱりそれ以上に楽しみでしょうがないの」
「そっか!オレも嬉しいよ!また冬っぺと同じ学校に通えてさ!
去年ふゆっぺが転校してきてくれただけでもオレ十分幸せだったのに、オレってつくづくラッキーだよな!」
「あ、ありがと…」
そんな言葉をサラッと吐かれて…思わず顔が赤くなる。
付き合いだしてから円堂は冬花に対して前よりも明るく、優しく、積極的に接してくれるようになった。とは言ってもそれはやっぱりと言うか何と言うか…。お付き合いをしている男女というよりも寧ろ友達の延長線の様なもので、さっきのような言葉を何気なしに吐くのも相変わらずである。そんなんだから勿論デートもした事が無ければ(何度か一緒に遊びに行ったこともあるが、それは「部の皆で」行く合宿やテストの打ち上げ会みたいなものだった)毎晩のおやすみメールもした事が無い。
…別にデートだってメールだってそんなにしょっちゅうじゃなくても良いから、私だって少しくらい恋人らしい事やってみたいのになー。
たまにふとそんな…贅沢な事を思うも、結局はさっきの様な…何気なしでも本当にそう思ってくれている事が伝わってくる…守の一言で満足させられてしまう。
「…本当、私って守くんに弱いというか甘いんだから…」
不満を言いつつもその言葉とは裏腹についつい口元に笑みが咲く。
「ん?何か言ったか?」
いつの間にやら自分よりも少し先を歩いていた恋人にまたちょっとした余裕を感じ…先を歩きつつも歩調と歩幅はきっちり私に合わせちゃってさ!そういう細やかなところは気がつくのにどうして本願には気がつかない?…冬花はむくれて拗ねたフリをして、
「別に?ただちょっと…守くんはずるいよなー、って」
「え?は?待っ…!ちょ、ちょっと何で?」
「あははっ。知ーりーまーせーんーよーだ!」
…それでも幸せそうな笑顔で守を追い越した。