二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン☆大好きな、君だから☆ ( No.74 )
- 日時: 2011/08/24 13:27
- 名前: みかん (ID: JJibcEj3)
第五話:入寮。
冬花と守が(当人達は揃って無自覚ながらも)バカップル特有の幸せいっぱいオーラを撒き散らしながら寮に着くと、玄関入ってすぐの共同ロビーにはもう秋達が先に来て待っていた。
しっぽを振らんばかりの勢いで「風丸—!」と走り寄った守に、本日も守の親代わり宜しく風丸がため息交じりに説教をする。
「コラ円堂!寮内は走ったり、大声を出したりするなと玄関前のポスターにちゃんと書いてあっただろうが!!お前ちゃんと読んで…。
…ある筈無いん、だよな…」
「おう!円堂守高校一年生、そういうの全く気にしません!!」
「…。(イラッ)少しは気にしろド阿呆めがー!!」
本来落ち着いて守を諭す役のはずである風丸が、こうしてうっかり守のペースに飲み込まれてぎゃいのぎゃいのと言い争いに発展してしまうのも雷門中学時代からままある事である。
思わず守よりも遙かに大きな声で怒鳴り続けている風丸を見兼ねて、豪炎寺が彼の肩に手を添えた。…代役交代の合図である。
「もう止めないか円堂。時間もそろそろ晩飯時だ。飯食いそびれたくないのなら早いとこ押さえろ。
そんでもって寮の同室者と部屋の位置が張り出されてるからそれ見て来いよ。荷物置いて30分後に共同ロビー集合だ。食堂は今日だけ開堂前の大規模な清掃があって明日から開くそうだからな。金も持ってこいよ、適当にファミレスで済ますぞ」
大人で落ち着いた物腰でそれだけ一気に言うと、豪炎寺達は足早に男子寮の方へと去っていく。守も慌てて言われたとおりに張り出されている紙を確認すると、「男子寮5階305号室、同室者鬼道有人ー!!」と、これまたさき程の風丸の声ですら歯が立たないようなでっかい声で叫びつつもう見えなくなった風丸達を追って行った。程無くして「だから廊下を走るな頼むから叫ぶなこんっの阿呆ーッ!!!!!」という風丸の罵声が聞こえてきて、冬花は秋と共に苦笑した。
ー守くんらしいね。
ー円堂くんらしいね。
互いにまだしばらく沈まりそうにない上戸をこらえながらも(秋もまだ見ていなかったようなので)自分の名前が書いてある枠を探して確認し、せーので互いに部屋番号と同室者を発表し合う。
「女子寮304号室、木野秋、戸上南美!」
「女子寮302号室、久遠冬花、雪城…。
ーゆ、き…しろ…?」
せーので発表し合う、そのつもりだったのに。私は思わず声を止めて目の前に張り出された紙を凝視した。秋も「冬花さん?」と言いながら彼女の目線を辿って行きついた枠を見るなり…目を剥いた。
ーだってそこに記されていたのは…。
『女子寮302号室 室者:久遠冬花、雪城紅葉』
ー忘れもしない、元・恋敵にして現・友達の…あの子の名前。