二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン☆大好きな、君だから☆ ( No.88 )
日時: 2011/08/24 13:29
名前: みかん (ID: JJibcEj3)

第七話:再会。〜302号室にて〜
「え、う、わあ…。本物…ですよね」
冬花は目の前に現れた紅葉に対して何と反応したらいいのか解らなくて、思わずそんな感想が漏れた。言ってしまってから、本物、なんて物みたいな言い方ちょっと失礼だったかも…と後悔するがもう遅い。予測通り一気に眉間にしわを寄せた紅葉に手首を掴まれて、
「〜!ちょっと来なさい!!この紅葉様に対してその物言いは、全くもって失礼万歳な事この上ないわね!部屋でみっちり説教してあげる!」
そのまま女子寮に続く廊下をずるずると連行されていく。
冬花はまだ後ろでポカン、と固まっている秋に口の形だけで、ごめん!また後で!!と伝えると大人しく前を歩く紅葉に従って歩いた。



*****
冬花と紅葉がこれから暮らす部屋…、もとい女子寮302号室の前まで来ると紅葉は制服であるブレザーのポケットの中から…いつの間に寮監から受け取ったのか、部屋の鍵を出してかちゃりとドアを開けた。
「うわあ…」
まだ壁紙も張られていないので、辺り一面白い壁で覆われたシンプルな間取りの2人部屋。
きっかりでは無いが、それなりに区切られている個人スペースにはそれぞれに小さいながらも机とベット、クローゼットなどが置いてあり、これからそこで勉強したり、睡眠を取ったり、着替えたりするのかとぼんやり感じた。
対して部屋の真ん中にある丸いテーブルや、入口の横にある冷蔵庫などはそれなりの大きさだから、2人で使えと言う事なのであろう。それを見ても、同年代の女子と暮らすって初めてだけどどんな感じかな、とやはりぼんやり…実感する。
「これからここで暮らすんですね。…私、紅葉さんと暮らすの楽しみだなあ…」
思わずポロッとこぼれた本音に冬花が顔を赤くして「あ、いやその!///すみません…。何か実際に部屋見たらしんみりしちゃって…!」と付け足すと、その本音には紅葉も気を良くしたのか、
「まーったく。別にそんな慌てて弁解するような発言じゃないでしょう?悪口言ったわけでも無いんだし。
…あーあ、それより。アンタが変な事言うから説教する気失せちゃったじゃない」
と言ってにこりと頬笑み、
「ま、こっちとしてもありがたいわ。変に頑なで表情とか本音とか、そういう情報読み取るの苦労する相手じゃなくて。アンタみたいに色々とダダ漏れで分かりやすい奴で」
手を差し出されたので冬花はその手をきゅっ、と握り返して挨拶を交わした。

















☆おまけ☆
「…ところでさっき私の事『色々とダダ漏れ』って言ってたけど…。
例えば何がどんな風にダダ漏れなの?」
「えーと、円堂くんを好きな気持ちとか?
今日の学校からの帰り道も、とにかく幸せそうでニヤけた顔してたわよ?」
「…なっ?!見てたの?!一体どこからっ…?///」
「あなた達の5メートルくらい後ろよ。ま、私の他にも見てた人達はいっぱい居たけどね?そりゃ当然よねー。世界一のゴールキーパーが、事もあろうか彼女と甘ーい雰囲気出しまくりの下校シーンな・ん・て。レアすぎるにも程があるでしょ」
「うわっ、そうか。守くん元々格好良いし人当たり良いからモテるのは知ってたけど…。そういう意味でも目立ってるのかあ…」
「そういう事。
という訳で、これからアンタには嫉妬と羨望の眼差しがオンパレードよぉ?どう?少しでも今の内から綺麗になって、せいぜい奴らが迂闊に釣り合わないとか言えないようにしとかない?」
「え…。手伝ってくれるの…?」
「勿論よ。これから365日、日に日にアンタの女子力上げてあげるわ。
…さ、とりあえずこっち来なさいー。今日これから夕飯行くんでしょう?
さっきロビーで言ってたものね?まずはそのボサボサになりつつある髪の毛をセットして差し上げる」

ーそうか。紅葉が同室だと、こういう特権も付いてくるのか…。

改めてこの組み合わせを決めてくれた両監に、冬花は心の底から感謝した。