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第十六話　９月１０日　昼休み　ＰＭ０：４２
(楓side)

「そういえば、」

私はそういって話始めたシオンを見つめる。

「何？」
「……最近さ、炎愁が何かおかしいと思わない？」

私は頷く。
最近冷たくなったって言うか、何て言うか……変わっちゃった。

「確かにね。冷たくなったって言うか……」
「いつからだっけ？　この前のサボりの後から？」
「うん。その位からだった」

じゃぁ、その時に何か遭ったのかな？

「楓、今日日直だよね？」
「えぇ？　あぁ、うん、そうだよ。それがどうかした？」
「出席簿、見せてくれない？　何か分かるかも」

私は机の中に入ってる出席簿をだして、９月３日の欄を見る。

「欠席者？」
「そうじゃない？　居ない人と何かあったかも知れないし。」

炎愁がサボったのは４時間目。
居ない人は……『前谷真希』か。

「この人かな？」
「前谷真希か。……楓は知ってるのか？」
「あ、一応ね、少しだけ」

その知っている情報を教える。
って言っても、ただ帰宅部で、その両親が今は意識不明の重体だって事だけだ。

「……両親、か……」

シオンが何処か遠いところを見つめてる気がして、「大丈夫？」って声を掛けた。

「あ、ごめんごめん。それと有難う」
「べ、別に……」
「あ、それとさ、」
「え、何？」
「早くしないと昼休み終わるから、お弁当食べないと」
「うん、そうだったそうだった。ありがとね」

その後結局お弁当は食べ切れなかったけどね。