二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 螺鈿細工の黒十字 イナズマイレブン二次創作 ( No.57 )
- 日時: 2011/05/03 20:52
- 名前: 水野ミミ (ID: JrXb8vQ7)
第九話 6月4日 3時限目 体育 11時24分
(半田side)
「サッカーだぁぁぁっ!」
この言葉の発生源は、お察しの通り円堂だ。
「男女合同にして、後悔しないのかな、先生?」
こちらの怖い台詞は、シオンが発生源。
先生が後悔って、そんなことさせられるのかよ、シオン!?
「絶対に一点は取ってやるぞ!」
「出来もしないことを口に出すのは止めた方がいいと思うけどね。」
「あぁ?てめぇ、喧嘩売ってるのか?」
「自分で考えろ、馬鹿。」
喧嘩はいつも通りの2人。
流石に止めるつもりはない。
ここで止めたら、まず染岡がキレる。シオンは別に何もしないだろう。
だから、それはやめておく。
「出来そうだと思うか、お前は?」
「お前って、あたしの苗字忘れたのか?」
「さn……三角だろ?」
「さんかくって言いかけただろ。」
「いや、だから出来ると思うか?」
「べっ、別にそれくらい何でもないからなっ!……って、そういう飛火も出来そうなのか?」
「運動は得意だからな!」
これはさんかく……いや三角と飛火の2人だ。
やば、今さんかくだって思った瞬間に三角に睨まれた。
——この辺省略☆——
「何でだよ……何で入んねぇんだよ!」
「この位止めるのは楽なんだけどな。それでもお前現役のFWかよ?」
本当に、聞き疲れてくる……。
そういや、前円堂が、
「シオンって一応GKなんだな!」
って言っていたような……。
今度それを染岡に言ってやるか。
「ひゅーっ、なかなかアイツやるんだな!」
「あぁ、シオンか。」
点数は0−0。
両チームとも、GKが頑張っているので、なかなか点数が入らない。
「ちょっとだけ、ゴールを開けるから、ディフェンスは任せるから!」
シオンがこっち(=円堂が守っているゴール側)にゴールを捨てて走る。
残された守備陣はただ呆然としている。
「大丈夫なのか?俺に攻めてくださいって言ってるのか?」
これまた呆然としている染岡が言う。
まぁ、そう思うのも無理は無いだろう。
「楓さん、パス!」
数人の男子に囲まれたシオンがバックパス。
しかし、ボールを取ったのは染岡。
「ゴールががら空きだぜ!」
そのままシュート。
無人のゴールにシュートが刺さる。
「っしゃぁっ!」
「染岡!」
その他数名の男子が染岡を称える。
「今度こそ、ゴールは任せたから。私、攻撃に転じるからね!」
女子チームはポジションの変更があったようだ。
シオンがFWになり、その代わりに誰かがGKになった。
「行くよ、円堂!」
「来い、シオン!」
隣の飛火からボールを受け取ると、シオンが今度こそドリブルで進む。
「フッ、この私から君たちみたいなクズがボールを取れるとでも?」
「だ……誰がクズだぁっ!」
そう言ってシオンからボールを取ろうと染岡が走り出す。
「面倒だから、シュートするか。……『イノセント・ドリーム』!」
……イノセント・ドリーム!?
何だそれ?
周りの奴も何だそれ?という顔だ。
但し、円堂以外は、だ。
円堂はボールを凝視している。
はずなのだが。
誰もボールの位置というものは分からないらしい。
「ほら、これで1点返したよ!」
ゴールネットが揺れた瞬間、シオンがそう宣言した。
結果は1−1。
授業が終わった時、染岡が悔しそうな顔をしていた。