二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ONE PIECE 〜奇跡の海を探せ!囚われし姫君と海賊団〜 ( No.10 )
日時: 2011/02/21 18:20
名前: さくら (ID: kEC/cLVA)

○過去




『シャンクス・・・。、もう、行っちゃうの?』

「あぁ。・・・ルシアも来るか?」

『えっ・・・!?私・・・、』

「だっはっは!!冗談だよ!」


早朝。静かに波を打つ浜辺に、大きい影と、小さい影が並んでいた。

赤髪の麦藁帽子を被った大きい影は、シャンクスという。

背中まである綺麗な海色の髪を風に靡かせている小さな影は、ルシアといった。


ルシアは、浜辺の砂に、【わ か れ】と大きく書いていた。

“別れ”。それは突然であり、必然な事———・・・。



「シャンクスーッ!!シャンクスーッ!!!」



黒い髪を揺らし、翔けて来る一人の男の子が居た。ルフィだ。


『どうしたの?ルフィ。』

「この船出でもうこの町へは帰ってこないって本当!?」


ルフィはシャンクスの横に座り、ほら、と後悔の準備をしている赤髪海賊団を指差した。


「ああ 随分長い拠点だった。ついにお別れだな。悲しいだろ」

「うん、まあ悲しいけどね。もう連れてけなんて言わねェよ!」

「どうせ連れてってやんねーよーw」


シャンクスはベーと舌を出してルフィをからかう。そしてルシアの肩に手を掛けた。


「まぁ、ルシアは無条件に連れてってやってもいいけどなー。」

「あ、ちょっと!ルシアに触んじゃねェ!!ルシアは俺のだからな!!」

「冗談だよwルシアは一生ルフィのお隣に居るだろうしさw」


“ルフィは馬鹿だなー。ほんっと馬鹿”とルフィをからかいながら言うと、向こうの方から“出港準備出来ましたー!!”という船員の声がした。

するとシャンクスは、さっきの表情とは打って変わって、真剣な表情になり、涙をみせないように歯を食いしばっているルフィに言った。


「ルフィ。ルシアは結構強い。だがルシアも女だ。そしてルフィ。お前は男。男は女を守る為にある。」

「ああ。」

「ルフィ。・・・一生ルシアを守り抜け。良いな?」

「ああ!!」



ルフィは力強く頷き、こう続けた。




「おれはいつかこの一味にも負けない仲間を集めて!!ルシアを絶対に守って!!世界一の財宝を見つけて!!!」










「海賊王になってやる!!!!!!」










ルフィの輝かしい瞳をじっと見つめるルシアとルフィを交互に見ながらシャンクスは笑い、そして言った。



「ほう…、俺達を越えるか。」



ニヤリと笑い、力強くルフィの頭に自分が被っていた麦藁帽を被せた。

そして同時に、ルシアを呼び、抱きしめ、ルシアの首に何かのネックレスを掛けた。





「ルフィ。この帽子をお前に預ける。そして、ルシア。お前にはこれをやる。二つとも俺の宝物だ。」



ルフィは帽子のツバに隠れて涙を流し、ルシアは涙を何回も右腕で拭いながら彼の名を呟いた。




「ルフィ。いつかきっと返しにこい。立派な海賊になってな、」









そして、シャンクスは二人の前から居なくなった。小さな影を二つ、残して。


此処から、ルフィとルシアの偉大なる冒険の幕が、開けたのだった。

***
過去のやつ。