二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ONE PIECE】 HOPE!! ( No.7 )
日時: 2011/02/21 21:07
名前: 遊 (ID: .8sHsKzk)

第2話 “お願いします”









少年の目は、潤んでいるように見えた。

ただならぬ雰囲気を直感で感じたルフィは仲間達がまつ船へと戻った。








「……名前は?」


“麦わらの一味”航海士のナミが少年に尋ねる。


「タブー・ホープです。歳は……17」

「結構若いのね」


少年——ホープはゆっくり頷く。
緊張しているようだ。


「で? おれ達に一体なんの用だ?」


マストに寄りかかっている、くるりとした眉毛が特徴的な優男が問いかける。
彼の名前はサンジ。“麦わらの一味”のコックだ。


「この町を、救ってほしいんです」

「それだけじゃ分からないぜー?」


長い鼻をした、狙撃手のウソップが呆れたように言う。
船長のルフィは遠くでホープの事をじっと見つめていた。
この先を話そうとしないホープにしびれを切らしたサンジが冷たく言い放つ。


「おれ達も暇じゃねェんだ。これ以上何も——」

「おれの父さん……タブー・アルデンを倒してください」
 


——あの男は、この町を、いや世界を支配しようとしています。

凛とした声。ぎゅっと固く握られた拳。強く真っ直ぐな瞳。
それだけで分かる。嘘じゃない。


「い、言っている意味がよく分からないぞ……」


“ヒトヒトの実”を食べた人間トナカイ、チョッパーが思わず呟く。
その隣にいるウソップはトラブルに巻き込まれる予兆を感じ取っていた。


「信じられない話だと思います! でも、本当なんです! おれの父さんは本気で、この町をっ!」


「落ち着け、落ち着け」


興奮気味になってきたホープを、“鉄人(サイボーグ)”フランキーが宥める。
ホープは大きく深呼吸をして呼吸の乱れを直した。


「ところで、ホープ君? あなたのお父様が探しているけど?」


「ッ……!」


今まで様子を伺っていた、考古学者のニコ・ロビンが何かを勘付いたらいしい。
ホープの顔は、一気に青ざめていき、急いで、船から下りようとする。


「す、すいません、話の途中で……! 
 明日10時に、この島の南西にある山に来てください! ハイキングコースを伝っていくと、途中獣道があるはずです! 真っ直ぐ3本目の木のところで右に曲がって下さい! そこで全て話します!」


全て言い終わると、ホープは町の方へと走っていった。


「……どうする船長?」


今まで何も喋らなかった、三本の刀を腰につけている“麦わらの一味”戦闘員ゾロがルフィに聞く。
ルフィは、楽しそうに口元を緩ませた。






「——当たり前だ!!」