二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼——薄紅桜ニ誠ノ旗ヲ。 ( No.14 )
- 日時: 2011/02/24 19:37
- 名前: ハノ (ID: Gz/gGLCR)
005【監視対象!?】—亜美side—
何時からか、自分は此処に居ていいのかと思うようになっていた。
亜美だって人の迷惑位考えるからね!なめんなよ俺の事!
ごろんと寝転がりながらぼうっと天井を見つめる。行儀が悪いなんて気にしない。
先ほど、土方さんに『監察に会わせる、呼んで来るから待ってろ』と言われたので土方さんの部屋に待機している。
正直、書類か何かで溢れかえり、居心地は宜しくない。
「——み、亜美!」
どれだけ経ったのだろうか。
ふと自分を呼ぶ声が聞こえて其方に視線を投げる。何時の間にか土方さんが若干心配そうに此方を見ている。——否、心配そうだが何か怒ってないか?と、いうか何か変なものを見るような目じゃん。
「ごめん、ぼうっとしてた」
「ったく、……悪ぃな、山崎」
「いえ、気にしてません副長。で、其方の娘が——、」
やっべ、山崎さんじゃん。格好いいな、うん。
思わず叫びかけた。
土方さん良い人だな、山崎さんなんて。
「ああ、こいつが遣らかさない様に見張って置け」
前言撤回、死んでしまえ土方コノヤロー。
山崎さんも山崎さんじゃん、「御意」って頷くなっ!悲しくなるだろーっ!!
「こいつは一応新選組の重要機密—密命—の事に色々と関わって居やがる、というか情報を持ってやがるからな。んじゃ、任せたぜ」
「御意。——君、名前は?」
いやああ、二人きりってなんか気まずい!!
「——夜月亜美」
「夜月君か。俺は山崎烝。副長の命により基本的には君の行動を見張らせて貰う。俺が忙しい時は他の奴に頼む」
「…わかった」
「それと、——君がどんな機密に関わっているのかは知らないがその事について触れ回るようならすぐに斬ると思ってくれ」
——怖い。
素直にそう感じた。これはアニメでも漫画でもない、現実なんだ。
殺気も感じるし血の匂いもわかる。自分はただ身を強張らせつつも小さく頷いた。
「—————はぁ、あまり怖がらないでくれ。あくまで俺は君の監視だ、君が何もしない場合は理由も無しに斬る事はない。それに——」
「?」
「君はまだ、幼い」
山崎さんは苦笑を浮かべつつ亜美の頭に手を伸ばす。
そして、一度だけぽんと撫でると(叩く?)、山崎さんは部屋を後にしてしまう。きっと報告か何かだろう。
一人取り残された自分は、悲しみではなくただ嬉しげに笑ってしまった(不気味だっただろうか…?)