二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼——薄紅桜ニ誠ノ旗ヲ。 ( No.15 )
日時: 2011/02/24 20:02
名前: ハノ (ID: Gz/gGLCR)

006【時間が止まれば良いのに】—ひかりside—


夕食時、井上さんがあたし達に伝えた、【山南さんが左腕に怪我を負った】という事実に小さくあたしは落胆した。
原作はどう足掻いても変えられないのか—、と。

その後は大変だった。
平助君が殴り飛ばされるわ、亜美が反応しないわ、千鶴ちゃんが怯えるわで、……ったく、土方さんが苦労するのもわかる。

「羅刹、ねぇ……なりたいとは思うけど」

亜美がぼそりと呟く。
確かに、誰かを護るためならなりたいかもしれない。けど。

「ならないほうが、身の為だよ」

これは、本当の事だったから。
亜美が此方を向いていった。

「だって、赤い目とか格好いいじゃん」

そんな理由で!?と思ったが敢えて突っ込まない。

「———はぁ」

小さく溜息を吐く。
こうでもしないと、憂欝な気分に飲み込まれそうであれだった。

気づけば亜美は亜美で何か悪ノ娘とか歌ってるし、あれ、何か皆酔ってね?
飲み過ぎじゃね?——ってあ、亜美も飲んでるぅぅ!?ぁ、吐き出した。

「まずーっ!!!」
「お子ちゃまにはまだ早いってもんだ」

けほけほと咽る亜美の背中を軽く叩きつつ左之さんが笑う。
亜美は顔を赤くして「お子ちゃまじゃないし!」と強がって見せている。
ちらりと千鶴ちゃんを窺えば、楽しげに笑っていた。

うん、千鶴ちゃんは可愛いっ!!

「うぅー……もー、戻るわー」

亜美は頭が痛いとの事で退場。あれ、何で山崎さん居んの。
あれか、亜美は危険物体だから監視って奴か。ふははは、ざまーみろ。

「——こういうのって、好きだな」
「そう?」

千鶴ちゃんの言葉に思わず笑ってしまう。
まあ、たまにはこういうのも悪くないかもしれないからね。

「うん、好き」
「じゃあ千鶴ちゃんの為に騒いであげる」
「や、それはやめた方が——、…」

くすくすと笑う千鶴ちゃんに癒された。

「じゃ、僕と一君ももう戻るからね」

沖田さんが斉藤さんと一緒に帰っていくのを一緒に見送り、私たちもすぐに部屋へと戻った。
そして、二人で一緒に寝た。