二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼——薄紅桜ニ誠ノ旗ヲ。 ( No.29 )
日時: 2011/03/08 18:53
名前: ハノ (ID: Gz/gGLCR)

011【禁門の変—参—】


京都の市中へと辿り着けば、其処には無残な光景が広がっていた。

「——……」

千鶴もひかりも思わず息を飲む、そんな光景。
至る所に刺された者や斬られた者が倒れている。
土方の目での合図に、斎藤と原田が頷く。
そしてその死傷者たちを運んでいるのを見つつ——……

「しかし、天子様の御所に討ち入るなどと、長州は一体何を考えているのだ」
「まさか、此処までやるとは……」

井上の言葉に近藤が頷く。

「天に唾した者がどうなるか、見せてやる」

土方がそう言った時。
斎藤が会津の者と思われる人物を話し終え、此方に駆けてくるのが見えた。

「朝方、蛤御門へ押しかけた長州勢は会津と薩摩の多数の兵力により、退けられた模様です」
「…ふっ、薩摩も会津も手助けねえ。世の中変われば変わるもんだ」
「土方さん、公家御門の方に、まだ長州の奴らが残ってるらしいぜ」
「何……?」

斎藤の報告に少し驚いた様子の土方。
その後の原田の報告には驚く——とは言えないかもしれない表情を浮かべる土方。

「局長。」

ふと声が聞こえ、全員が其方に振り向く。

「今回の御所襲撃を先導したとみられる者たちは、天王山に向かっています」
「どうする、トシ」
「原田、隊を率いて公家御門へ向かい、長州の残党どもを追い返せ」
「あいよ」

山崎の報告に近藤が土方へと問いかける。
土方は薄く笑い、指示を下し始めた。

「(流石副長……土方さんなだけある!)」

ひかりが心の中で関心していたり。

「斎藤と山崎には状況の確認を頼む」

それから、土方や千鶴、ひかり達は天王山へと向かい始めた。