二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼——薄紅桜ニ誠ノ旗ヲ。 ( No.32 )
日時: 2011/03/08 20:46
名前: ハノ (ID: Gz/gGLCR)

012【禁門の変—肆—】—ひかりside—


天王山へと向かう道中——……
橋の上に二人、人影を見つけた。

「、…亜美……!?」

ぐたりとちー様こと風間千景に凭れ掛かるような姿勢の亜美を見て驚く。
——いやいや、亜美はちー様が好きなわけじゃないよね?

「ッ……!」

よくよく見れば何故か亜美は怪我をしている様子。
若しかしてちー様に虐められ——た、のは無いかぁあ……。

「どうした、の?」
「……やられた」

亜美の腰にある刀が視界に入り、思わず「えっ……?」と声を上げてしまう。
何時から戦っていたの?何で教えてくれなかったの?

「………………ちー様、早くしてよね」
「命令するな」

亜美がそう言えばちー様は隊士を——斬る。
その光景に思わず口元を抑え、吐き気と頭痛を無い事にしようと思ってもそれはなかなか消えてくれるものじゃなくて。

「その羽織は新選組だな、……」
「その人、あの夜池田屋に居ました!」

ちー様を見て気づいたのか、千鶴ちゃんがそう言う。

「……亜美?」

土方さんも亜美の存在に気付いたのか訝しげな視線を送っている。
亜美は小さく笑みを浮かべ、

「じゃ、ここいらで新選組に戻るとするかな」

と呟いた。
そんな簡単にちー様が許してくれるとは思わないんだけど、……。

「………」

ちー様は何も言わず、亜美を返してくれる。
意外と優しい人なのかと思ったが、言わないようにしよう。
物語の結末を知るあたしは、どう考えても彼を良い人とは思えない。

ちー様や土方さん、千鶴ちゃんが口論しているなかであたしは亜美に駆け寄った。
亜美はくるっと振り向き———

「山崎さんは?」

と言ってきた。
むかついたので、一発頭を叩いてやったのだが。



やがて、禁門の変は終わる。