二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼——薄紅桜ニ誠ノ旗ヲ。 ( No.7 )
- 日時: 2011/02/22 20:55
- 名前: ハノ (ID: Gz/gGLCR)
002【新選組】
気が付けば亜美とひかり、そして千鶴は屯所に居た。
井上源三郎—通称源さん—に連れてこられたのは広間。
うつらうつらと朝が弱いのか亜美は今にも眠りそうだ。勿論、ひかりも同じなのだが。
千鶴は今から何が起きるのかとびくびくしている。
「昨夜はよく眠れた?」
「は、…?」
「みたいだね、三人とも顔に畳の跡がついてるよ」
「眠い眠い眠い眠い……」
かあ、と頬を赤く染めて両頬に手を添える千鶴に対し亜美とひかりはまるで呪いのように呟いている。
「よせ、総司。本気にしている。それと、其処の童は何を呟いている」
「眠い。」
「へ、…?」
亜美はそう答え、千鶴はえ?と驚いたような顔をしている。
「…童の癖にか。
畳の跡などついては居ない」
亜美の答えに斎藤は軽く溜息を吐く。千鶴はえええ、と小さく声をあげた。
「酷いなあ、一君。ばらさなくても良いのに」
「(この時代にこんな言葉あったっけか?)」
総司の言葉に軽く首を傾げるひかり。
だが、細かい事は気にしないことにしたようだ。
千鶴は総司の言葉にむっとしている。
「お前等、」
声が響いた。千鶴やひかり、亜美は其方を振り向く。
「無駄口ばっか叩いてんじゃねえよ」
「はーい」
反省してないだろ、と三人は同時に思った。
「で、そいつ等が目撃者?ちっちゃいし細っこいなあ、まだ三人とも餓鬼じゃんそいつ等」
「お前が言うな」
「お前が餓鬼とか言うなよ、平助」
何気に亜美の声と新八の声がはもる。
新八はわしゃわしゃと平助の頭を撫でている。
「だな。世間様から見りゃ、お前も似たようなもんだろうがよ」
「五月蠅いなあ、おじさん二人は黙ってなよ」
「何だと、このお坊ちゃまが」
「お前におじさん呼ばわりされる覚えは無ぇよ。新八はともかく、この俺はな」
「てめぇ!裏切るのか左之!」
騒ぎ出す三人を見て漸く目が覚める亜美。ひかりは楽しそうに見ている。
もっとも、一番テンションが上がっているのは亜美なのだが。
「よさんか!三人とも!」
「口さがない方ばかりで申し訳ありません。怖がらないでくださいね。——ま、其処を閉めてお座りなさい」
「そういえば寒い、…と思ったらこれだったのか」
「そうらしい…」
亜美とひかりがこそっと呟いた。