二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼——薄紅桜ニ誠ノ旗ヲ。 ( No.8 )
日時: 2011/02/23 18:49
名前: ハノ (ID: Gz/gGLCR)

003【処遇】


「俺は、新選組局長近藤勇。此方の山南君が総長、そしてこっちのトシ、いや土方歳三は副長を務めている」
「近藤さん!何で色々教えてやってんだよあんた」
「ま、まずいのか?」

拙いだろ、と亜美が心中で呟く。

「これから詮議する相手に、自己紹介は無いんじゃねえの?」
「ま、そういう糞真面目なところが近藤さんらしいっちゃらしいけどな」
「んー、ごほん。さて、本題に入ろう」

近藤が改めるように咳をし、漸く本題に入る事が出来た。

「まず、改めて昨夜ゆうべの話を聞かせてくれんか?斎藤君」
「昨夜、失敗した隊士等が市中にて不逞浪士と遭遇。斬り合いとなりましたが、我々が処理しました。その折、この者に目撃されました」
「私、何も見てません!」

斎藤の言葉に千鶴が必死に言う。

「本当に?」

平助の声が聞こえ、思わず振り向く千鶴。

「見てません!」
「ふぅん、…なら良いんだけどさ」
「あれ、総司の話じゃ、お前が隊士どもを助けてくれたって話だったが?」
「違います!私はその浪士達から逃げていて其処に新選組の人たちが来て…だから、私が助けてもらったようなものです」
「——ちょ、誘導尋問はずるいよ!?」

笑みを深めていく沖田に亜美がそう叫ぶ。
ひかりもうんうんと頷いているのが見えた。

「今更狡いだのなんだの言ってられないよ、こっちも色々と掛かってるんだし」
「だからって女の子にそんなことしなくても!」

沖田の言葉にひかりが怒りを混じらせてそう怒る。
しかし、あっさりと流される
そして、——千鶴とひかりは斎藤に連れられて行ってしまう。
何故亜美が残ったのかというと——…

「——、気に入らない」
「?」
「……よし、じゃあもうこれ市中の皆様にばらすか、…うん羅刹のことばらしちゃおう、」

なんて連れて行かれる前に呟いていたからだ。

「は、!?」

亜美がふふふと笑顔で呟いた言葉に土方が焦ったような声を出す。

「うん、ばらされたくなかったら此処に置いてよ?千鶴もひかりも!」
「いやいやいや、……」
「——お前、本当に餓鬼?」

土方が亜美を若干睨みつつ呆れたように呟き、そのあとに平助が驚いたように言う。
亜美はにこりとして、「悪餓鬼」なんて言って見せた。

こうして、めでたく三人は屯所で暮らすことになったのでした。まる。


次回はひかりと千鶴のお話——…。