二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: レッドレイヴン−Red Raven− 『偽りの鴉』 ( No.72 )
- 日時: 2012/04/23 20:46
- 名前: 妹 (ID: RRvZltlr)
第十話
「・・・・いるんだろ?アンディ。」
「・・・・・、わかってるなら隠れる必要もないみたいだね。」
バジルの問いかけとともに、僕はバジルの前に出て見せた。
バジルは僕がでてくるなり、軽くあたりを見渡すようにして首を左右に振ってみせる。
「あれ・・、アンディ。あの汚いやつは?」
「・・・ウォルター?知らない。」
「ふぅん」
特に興味もなさそうに呟き、その左右に振っていた首の動きを止める。
「あの偽者[ミミック]野郎・・・、もぅちょっといい働きするんだと思ってたぜ・・・」
バジルが、ボソリ。と呟く。
僕にはほんの一部しか聞こえなくて。
「・・・・[ミミック]?っていったい何・・・・?」
バジルは、にぃとただ笑って、こちらをみるばかり。
「ねぇ・・答えなよバジル」
「・・・・」
また、口角を歪ませて笑う。
とても気持ちの悪い、不愉快な、笑みをする。
「・・・バジル。答えろってば・・・」
「アンディ」
口をいきなり、バジルは開いた。
「あれが見えるか?」
バジルは窓の割れ目から見える、街を指差した。
「・・・・見えるよ。」
「よく見てろよ、アンディ。」
「・・・・一対、何?」
街には、何も変化がない。
ずっと見ていても、注意深く観察していても、何も変わったところはない。
「ねぇ、何がなn———
バジルがいない。
その場に、いない。
さっきまでいた、場所に。
「え」
僕は、戸惑って、あたりを見渡したが、誰もいない。
「え、あれ。」
(・・・・・だまされた?)
「まぁ、そんなわけないか。何処かに隠れてるに違いない・・・・」
ドゥン!!
「がはっ!」
パリィィイン!!
「うっ・・!?」
銃声と、男の声が聞こえたかと思うとアンディの、さっきまでみていた窓が急にわれ、そこに勢いよく男が飛び込んでくる。
真っ赤な髪の、男。
「・・・ウォルター!?」
「ちっ、ダリぃ状況だな・・・」
ウォルターはすぐに体制を立て直し、十字架を模した処刑器具を窓の外に向かって放つ。
窓からは、黒い髪の30代くらいの男がウォルターが放った釘を受け止めて入ってくる。
「ダリオ・・・・!?どうして、ここに・・・」
「アンディ、説明は後だ。とりあえずダリオを撒いて、一時撤退だ!」
「うっ、うん・・・」
「逃げようとしても無駄だよ?」
ダリオは、弾丸蟻(ブレットアント)と先導の手(アッシャーハンド)を巧みに使い、攻撃を繰り出してくる。正直よけるのが精一杯だ。
「アンディ、こっちだ!」
「うん」
僕たちはなんとか、ダリオの攻撃を避け、鴉の巣へと帰った。
「只今。」
「あぁ、二人ともお疲れ様。どぅだい、仕事の方は。」
「・・・失敗しちゃったよ」
「悪ぃ。だりぃ状況が重なって、逃げるのもやっとだった・・・」
二人がそう伝えると、カルロがはぁ、と溜め息をついた。
「そう、残念だね・・、そんな二人にバッドニュースがある。」
「バッドニュース・・?」
真っ先に僕は聞き返す。
「うん、実は三番目が、任務中にダリオ・ガリアーノと接触し、動けない状況に陥ってしまったんだ。」
「・・・つまり、怪我をしたということです。」
どこにいたのかいつのまにか、隣にいたモニカさんが続ける。
「「え」」
僕たち二人は、なんとも間の抜けた声をだした。
「え、、でもジョセフは僕と違う場所にいってたよね。」
「・・そうだけど?」
「「じゃぁ、なんで・・・・・?」」
僕たち二人はまた、なんとも間の抜けた声をだした。