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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 序章【記憶—雪村 桜—】 ( No.3 )
- 日時: 2011/02/23 20:33
- 名前: ハノ (ID: Gz/gGLCR)
「さくら、おねえちゃんがまもってあげる」
遠い、遠い記憶。
そんな言葉が私の中でずっと響いていた。
優しくて、少し男の子っぽい声音。
だけど、何だかとても安心できる優しい言葉。
お姉ちゃん、が誰なのかは知ら無いけれど私はその声にずっと安心していた。
あの日、私を呼んでいた声、燃え盛る建物、そして——悲しげな笑顔は、いったい何だったのだろうか。
今でも脳内に響いてくる「おまえだけは渡さない」という声。
悲しいわけじゃない。
ただ、懐かしくて涙が頬を伝った。
見ず知らず—とは言いにくいが、顔もはっきりと覚えていない人の事がなぜこんなにも愛しく感じてしまうのだろうか。
私、雪村桜がその声の正体を知るまでかなりの時間が経つ——…
(少女の脳裏に焼き付いて離れない姉の悲しげな笑み)
(やがて少女は真実を知る—…)
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