二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: KINGDOM HEARTS〜heart for you〜 ( No.17 )
日時: 2011/03/22 17:29
名前: aqua (ID: wPOt.fn5)

最終章  heart for you





逃げる13機関のメンバーたち。
「なあ…俺たちどうなるんだ?この城は…?」
ロクサスが険しい顔で不意に聞いた。
「…さあな、消えるんじゃねぇか…この城ごと」
アクセルが静かに答えた。
「大丈夫だよ!」
イクサリクがやってきて言った。
「皆消えない、ううん…消さない」
「イクサリク…ありがとう」
ロクサスの顔も少し和らいだ。
「しっかしどうすんだよ………これから」
アクセルがサイクスに聞いた。
「…とにかく私たちがキングダムハーツを止める事もできんわけだ…。ここを離れるしか……だがこの城上空には強いエネルギーがあり、それによりあそこにキングダムハーツができるというわけだから、少し惜しいとゼムナス様もおっしゃっている。新たに城を作ろうと思っても、相当な時間がかかる…」
サイクスがそう言った。


「…じゃあどうすんだよこれから」
辺りが重い空気に包まれる。
…すると。
「………行かなきゃ」
そしてイクサリクが城の中へと走っていった。
「…!?イクサリクそっちは危険だ!!!」
それを見たロクサスが急いでイクサリクを追いかける!
「まて!ロクサス!イクサリク!」
サイクスが呼び止めるが、2人は聞こうともしない。
「俺が連れ戻してくる!だからお前は他のやつらと先に行け!」
アクセルがそう言って走り出す。
「…すまん……任せたぞ」
そしてサイクスは機関メンバーを連れて安全な場所へ避難した。





「イクサリク!何処だ!」
ロクサスがイクサリクを探していた。
「ロクサス!」
「…アクセル!?」
するとアクセルがやってきた。
「頼む…イクサリクを一緒に探してくれ!」
「ああっ!」
2人は城のいたるところを探していった。
今にも崩れそうな足場を渡り、必死に探した。





そして2人は城の最上階にある展望台にたどり着いた。
「…!?イクサリク!」
そこにはイクサリクがいた。
「…ロクサス」
イクサリクが振り向く。
「イクサリクさあ早く皆の所に!ここにいたら危険だ!」
「…」
イクサリクは黙ったままだった。
「イクサリク…急げ」
アクセルが腕を掴む。
「…行けないよ」
イクサリクが消えそうな声でそう言った。
「何で…?」

「あたしはいつも皆に助けられてた…今度はあたしが2人を守る番」
「何言ってんだよ!」
するとイクサリクが言った。
「皆にはまだ言ってなかった事があるの…」
「言ってなかった事?」
「…ロクサス、ううん、ソラ覚えてる?島にいた女の子の事」
「…カ……イリ?」
ロクサスは覚えている。忘れるはずがない。忘れられない。
何度も夢で見る女の子。ソラの大切な親友だから…。
「あたしは…あの子のノーバディなの」
「えっ?」
「…それとこれと何の関係があるんだ?」
アクセルが聞く。
「カイリはセブンプリンセスの中の1人。…彼女が心を無くしたのは知ってるよね?」
「うん」
「セブンプリンセスが心を無くすと、その抜け殻であるハートレスはキングダムハーツの一部となって、それを守らなきゃいけないの。だからキングダムハーツの力を借りてハートを開放する事ができたの。でもあたし、どうしても…どうしても会いたかったの……ロクサスに。だから下りてきたの…。」
「…俺に?」
イクサリクは話を続けた。
「あたしの力があれば、皆を守ることができる。あたしがキングダムハーツに帰れば」
そんなの…そんなのいやだとロクサスは思った。
ロクサスは、手を握り締める。
「キングダムハーツに戻る前に、私の心を…キングダムハーツに集まった心を2人にあげるね」
そう言ってイクサリクの胸から出てきた光の玉。その玉は2つに別れ、ロクサスとアクセルの中へと入っていった。
「…あったけぇ」
アクセルが胸に手を当てて言った。

「…ロクサス、あたしね」


そう言ってイクサリクがロクサスにキスをした。


「今も…そして人間時代も大好きだよ」
そう言われたロクサスはイクサリクを抱きしめる。
「…俺も」
ロクサスが小さく言った。
「…もう行かなくちゃ」
するとイクサリクの体がどんどん消えていく…。
「ああ、でも絶対忘れない俺たちの心にはずっとイクサリクがいるから…」
「ありがとう」

イクサリクが光に包まれる。



「サヨナラ…」



そしてイクサリクは消えてしまった…。

するとキングダムハーツの力は収まり、城の崩壊も止まった。
「……っ」
「…泣いてんのか?」
「うるせぇ…」
ロクサスは泣いていた。
「…最後ぐらい笑って見送ってやれよ」
アクセルがそう言うとロクサスは涙を拭き、キングダムハーツを見て、にっこりと笑った。
そしてアクセルの瞳から流れ落ちたひとつの雫…。
アクセルはやさしく笑った。





そしてキングダムはーツは消えていった…。









あたしは皆とずっと一緒にいたかった…。もしこの願いがかなうなら、あたしはどんな事でもする。


そしてもしまたあの2人に合えるのなら、
あたしの事…





            もう一度「親友」と呼んでくれますか…?









KINGDOM HEARTS〜heart for you〜



                     ΧおわりΧ