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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キングダムハーツ 〜仰いだ空の先に何があっても〜 ( No.1 )
- 日時: 2011/02/24 17:47
- 名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)
- 参照: httバックアップ取ってなかったのに・・・
プロローグ「始まりの朝」
ドタバタと大きな足音と叫び声が聞こえた。
なるべく音が響かないように布団の中にもぐるが、それでも振動がベッドを揺らす。
「アンタら・・・」
布団に包まっていた少女が、乱暴に自室の扉を跳ね開けて廊下へ踊りでる。
片手に布団を握り締めたまま、先を行く複数の人影に焦点をあわせ、いち、に、と屈伸をし、一つ大きな欠伸をすると、
「いい加減にしろおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
明らかに常人のスピードではないスピードで走り出した。
先を走っていた人影は彼女に気づくと、近くの部屋に逃げ込んだりしゃがんだりして、何とかやり過ごそうとするが・・・
あっという間に追いついた彼女の前では手も足も出ず、そのまま彼女の右手に握られていたスリッパで、はたかれて気を失う。
彼女が最後の一人を追い詰めたときだった。
「おい。何をしている」
蒼髪ショート姿の少女が、最後の一人をはたこうとする少女を制する。
「・・・何よ」
「『何よ』ではないだろう。朝っぱらから何を騒いでおるのだ」
「こ、こいつ等が騒いでいたから、注意をしていただけよっ」
布団を抱えた少女は、先ほど追いかけていた少年を指差す。
指差された少年は一瞬ビクッとして、その部屋から出て行った。
「モノには限度ってものがあるだろう。何回言わせるのだ」
「私にはこれが普通だもの。は〜あ。最近の若者はだらけすぎなのよ」
布団を抱えた少女の言葉に、蒼髪の少女は小さく溜息を漏らす。
「・・・そろそろ朝食だぞ。早く来い。レグシィ」
「あ゛〜、はいはい。あとフルネームで呼ばないでよ。イクスのバカ」
投げ捨てるように布団の少女──レグシィは言うと、自分の部屋へ戻っていく。
それを見送ったイクスも、食堂の方へと足を向かわせた。
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