二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: キングダムハーツ 〜仰いだ空の先に何があっても〜 ( No.11 )
日時: 2011/03/21 20:24
名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)

「お帰りなさいッ!」

道場の門下生が頭を下げて挨拶をする。
それはレイナたちにとって当たり前の日常だった。

ここはレイナたちの住む世界、「ドゥーナットタウン」。
この世界は他の世界には存在が知られていない場所だ。
存在が知られていない理由はいたって簡単。
住み着いたものはそこから離れなくなるから。離れられない理由は解明されていない。
決まってここに来た外界の者たちだけが、この島から一生出ようとはしなかった。

つまり、ここで生まれて生活してきたレイナたち三人にはその縛りが効かないのだ。
だから三人はよく遊びに出て行く。

「おかえり。どうだった・・・ってレイナ?」

扉を跳ね開けて家に飛び込んだレイナに、ここの家主──エンロが限界まで丸くした目を向ける。

「なんかいつも以上に荒れてるけど・・・。大丈夫なの?」

後に続いて入ってきたイクサに、エンロは問う。
イクサは先ほど起こっていたことをエンロに説明した。

「まぁ、レグシィ怒らせるようなことしたレイナが悪いね」

呆れを通り越して感心するよ、とエンロは小さく呟く。
となりで、イクサも全くだと首を振っていた。

「で、これからどうするんだい?結局は動き出す時期が早まるだけなのだろう?」

「そのことなんだが、実は光の勇者に私たちの存在が知られてしっまてるんだ」
「へ・・・?どうして?」
「レイナがヘマをやらかした」
「は・・・?!!」

驚くエンロをよそにイクサは続ける。

「ですから、出発はアスの明朝にする予定だが、どうだろうか」
「うん、それがいいね。今すぐ二人に伝えてきなよ?」

イクサは、では、と会釈をして階段を上っていく。
それを見送るとエンロは外に出た。今日も変わらず太陽が輝いている。これでもかという位に。
空を見上げたエンロは太陽へ手をかざす。

「どうか彼女たちに光の加護を──」

手のひらで生まれた光球はパンッとはじけた。