二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: キングダムハーツ 〜仰いだ空の先に何があっても〜 ( No.5 )
日時: 2011/03/04 17:57
名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)

──「遅い!」

食堂の扉を開けてすぐにそんな叫び声がかかる。
そんなこと思って扉を開けたのだが、

「あれ?」
そこにはいつも怒声を飛ばしてくる見慣れた少女がいなかった。

「レイナはどうしたの?」
「今日は朝早くに出かけていったが。なんか用事でもあったのか?」
「ん〜。なんかいないと調子狂うんだよね」
「・・・まぁ、それは分かるが」

そっかー。いないのかぁ。
レグシィは食べ物の一番とりやすそうな位置に座る。

「んーもう。あいつったら逃げたな・・・」
「逃げたとは?」
「今日、下のやつ等の面倒見るのレイナでしょ?」

レグシィは箸で魚をつつきながらほぐしていく。
その様子をイクサは怪訝な瞳で見つめていたが、やがて目をそらした。

「あんたらもレイナの行き先知らない?」
「いえ、今朝は4時ごろに外へ出て行くのは見つけましたが・・・」
「4時ぃぃぃーーッ?!!」

思わぬ情報に、レグシィは思わず悲鳴を上げる。
微かにだが、イクサも目を見開いているように見える。
そんな二人の様子を見て、門下生は明らかに動揺していた。

「あ、あの・・・。私たちもいまだ戻って来ないとは思わなくて・・・」
「よい、気にするな。これはお前たちが気を追うことではない」

そう、悪いのはレイナだ。多分今日もあそこだろう。いつも迷惑をかけさせおって。
はう・・・
イクサは誰にも気づかれないよう、小さく溜息をつく。
ホント、彼女はいつも手を焼かせる。

「ということでだ、おまえら。私とイクサはレイナ連れ戻しに行くので、今日は自主練習だ。サボることはないよーに!」
「各自掃除も忘れずに」
「はいっ!」

そろった返事が食堂を満たした。
満足したように、イクサとレグシィは食器を洗い場へ持っていく。

「では、行って来るぞ」
「留守番お願いね〜」
「はいっ!」

二人はそろった返事を聞きながら食堂を出た。