二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: キングダムハーツ 〜仰いだ空の先に何があっても〜 ( No.6 )
日時: 2011/03/21 20:38
名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)

第一章「トラブルメーカー」

「あいつ、また何かあったのかな」
「そうじゃなくても来ているみたいだがな」
「確かにそうね」

レグシィは小さく笑う。目の前に広がる海はどこまでも青い。
ここは『ディスティニーアイランド』の離れ小島。
本島から小船で渡れる位置にある。

「見つかるのも面倒だから、さっさと捕まええるぞ」
「べつにここなら、いーような気もするけど」

そういうことを言っているのではない。
イクサは小さく溜息をつく。
離れ小島ということは、彼らがいる可能性が高いからいけないのだ。

「まぁ、何とかなるって」

イクサの心を見透かしたように、彼女は小さく笑った。


一方そのころ。
彼女は取っての無い扉の前で魔法の練習をしていた。
額に流れた汗を、腕で乱暴にふき取る。

ドタドタッ・・・・

誰かが走ってくる、足音がした。
音的にここに向かっているのだろう。人数は・・・3人か
ということはレグシィたちではない。

「よっ・・・と」

荷物を片手に、天井にあいている穴へジャンプする。
が・・・・

「のわぁ?!!」

どすんッ
大きな音と共に足を滑らして落ちた。
しかも彼女の目線の先には、

「へっ?!」
「お前誰だ?」
「降ってきた・・・」

足音の主であろう三人組。
各々違った反応を見せているが、驚いているだけなんだろう。
ここは早々に立ち去るのがよいと、彼女は走り出す。

「待て!」
「ちょ、着いてこないでよぉ・・・ってわぁ?!!」

彼女は思わず悲鳴を上げた。
追いついた三人も、開いた口がふさがらない。
長身の女が先ほどの少女を捕まえているのだ。

「なにすんの」
「捕まえただけでしょ」
「レイナ、いい加減にしてくれ」

どうやらこの二人は少女──レイナと、知り合いのようだ。

「もーいい加減にしてよね」
「うるさい!離せっ」
「ねーイクサからも何か言ってよ」
「こうなったレイナが手におえないのは、分かっておるだろう?」

そーだけどぉ・・・と、レグシィは小さくいじけ始める。
開放されたレイナはというと。

「ところで見つかっちゃったんだけど」
「はぁ?!何やってんのよ・・・」

いじけモードに入っていたレグシィも思わず声を上げた。
彼女の目線の先──レイナの指の先には、三人の少年少女。

「よりによってこの三人に見つかったのか」
「まさかの、光の勇者って〜」

イクサとレグシィは、溜息をついた後空を見上げる。
──さすがトラブルメーカーだよ・・・