二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】−Everything is not loved!− ( No.9 )
日時: 2011/03/02 20:29
名前: 裂弥 ◆WGwRMEbPps (ID: A9wxTbZM)

しーん…

そんな擬音が似合う夜の屯所の前の道。

人が倒れていた。

ちょっと近付いてみると、息をしていた。

「おーい、起きなせェ。おーい。死んでるんですかィ。」

肩を叩くと、もぞりと動き、呻いた。

「…うー……」

そして、動かなくなった。

「………。」

俺は気紛れを起こし、そいつを屯所へ運んだ。


第一訓『気紛れでする事は決まって後々の惨事を呼び起こす』


「に、してもなんなんですかねぇ。」

山崎が溜息をつく。

「行き倒れとかじゃねーのか?単に。」

土方が煙草に火を付ける。

「いや、こんな長ェ刀持ってる行き倒れいないでしょうに」

俺はその刀を持ち上げ、眺める。

持ち手に白と黒の紐が蝶結びされていた。

そして、銀色の鈴が一つ。

ちりん、と綺麗な音を鳴らした。

その時。

「俺…の、刀…」

凛とした声が響き、バサリと布団が翻った。

「…俺の、返せ!!」

その声が響いたその時、俺の手元から刀は消え去っていた。

だが—

少女が、刀を鞘から抜き、この部屋にいる全てを睨みつけていた。

まるで、この世の全てを憎んでいるというような。

少女の、白と黒の目が、睨んでいた。