二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ■銀魂/ 日向と日影 /夢■ ( No.11 )
日時: 2011/05/04 18:49
名前: くろねこ。 (ID: 2nnbbVZM)

***
「...一歩でも動いたら... 斬りますよ?」

…その声は、何処かで聞き覚えのある声だった。
顔を見たいが、身体が動かない…。
一歩一歩近づいてくる足音が嫌でも聞こえる。


「 今日で終わりですね…。」


ドクン ドクン...
全身に広がる鳥肌、鳴り止まない心臓。

—————嗚呼、明日から牢屋で過ごすのか...。
     ...桂さん。 恨みますのでよろしく。

思考回路が可笑しくなり、もうまともな選択肢が出ない。


「一緒に屯所に来てもらいましょうか...
————桂小太ろ…………う?」

「 ......へ?」


***

「あれっ!? 桂じゃないっ!!!」

ようやく振り向く事が出来、声の主が確認できた。
浪士の中でも情報集めをしている私は、
真選組内の人物はほとんど把握している。

……勿論、この男も。

ほっと安堵の息を吐く......が、まだ安心はできない。

     私も浪士だ(いちおう←)。

「———————君、」

..ほら来たあぁああっ!!!

私は反射的にギュッと目を閉じた。


「———御免ねなんか(笑 暗くてよく見えなかった。」


「はい?」
予想外の言葉に目を見開く。

「人違いしたみたいなんだ、御免ねっ!首切れてないよね!?」
その男、先程の低い声から想像できないほど
優しい雰囲気を醸し出す.....。

そして、私の首を心配そうに触れる男は、
       —————真選組一番隊隊員 藤堂日影。


……それより。この人気づいてないじゃん!!!

なんか.. 軽くショックOrz、…
まあ、買い出しとかしかしてなかったけど...
私も一応浪士なんです、一応ねっ!!!

「 ォーィ オーイっ!」
「わっ! あ、はいっ!! 私は全然大丈夫ですっ!」

急に近づけられた顔にドキッとし、
私は一歩下がりペコリと頭を下げる。

「…そっか、なら良かった。」

急に近づけられたその顔は、遠目で見るのと少し違い
真っ黒な瞳に、名前からは想像できないほど
明るくオレンジがかった髪が雨に濡れている……。

…見た処だと、きっと私と同じ位の歳だろう。
「 僕は十七なんだけど...」
「えっ!!?」

まるで心を読んだかのように私に喋りかける。



「君は何歳?」

「...私も十七です。」

「へぇーっ。じゃあ同い年だ。」

「...そういうことになりますね...。」

「なりますねー。 ...あ。そうだ、少し遅れたけど」

私の正面に立つ"あっち側"の男はニコリと笑う。

「 初めまして、僕は日影。 」

「 ...私は...日向、 」


……君を見たのは初めてじゃない、名前だって知ってる。
  近くで見た君は、名前に似合わない太陽みたいなオレンジの髪をしていた、
  
           私は思った。
  
  普通こんな人が"日向"って名前にピッタリなんだろう、と。



————今日、決して交わることのない、
              2つは出逢う。

(何故だろうか、貴方は悲しく微笑んだ。
         その悲しげな横顔が頭から離れない…)


@next**