二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ■銀魂/ 日向と日影 /夢■ ( No.24 )
- 日時: 2011/04/04 14:55
- 名前: くろねこ。 (ID: 7ZyC4zhZ)
■+/叶う、叶わぬ ヒナタside。
「 …僕は、
君を知りたい。——、 」
ポツリと一言呟き、目を閉じれば無意識に浮かぶ。
暖かい春の風に揺れて、日の光に反射しているのか
透き通るように輝くあの髪の毛。
そこだけ見たらいいのに、どうしても目に入ってしまう
…———あの黒い隊服。
「 ..日影くん...かぁ…。」
溜息混じりで細い声が今は誰もいない会議所に響く。
そして、スクッと立ち上がり会議所の隅にある茶色の戸棚から
ペンと便箋を取り出した。
「.......うーん..」
"拝啓、藤堂日影様。
私は柳澤日向です。
ここ二年間は攘夷浪士を…"
「 あ、 ..これは駄目かw
んー... 」
"君を知りたい。"
なんて言われても浪士だという事は言える筈が無い。
…となると、身長? 体重? 趣味? ———
「 …難しいぞ..。」
〜 しばらくお待ちください。 〜
***
「 できたーっ♪」
あれから数時間。
手紙なんぞ滅多に書かない私。
ましてや敵のお方に書くなんて…
腕を組み、静かな会議所で悩んだ末、
ぐちゃぐちゃになった便箋が散らばった末、
やっとの思いで一通の手紙を完成させたのだ。
「 さあ! 早速郵便局へ——————ん? 待てよ? 」
———…郵便局に出すという事は.....。
①郵便局に出す。
②郵便屋さんが届ける。
③郵便屋さんが真選組屯所に届ける。
④真選組の誰かが受け取る。
=日影くんが受け取るとは限らない。
=もし仮にあの副長が取ったとする。
=日影くんが私と接触していることがばれる。
〓 局中法度21条にて、切腹。
「 …っ いやあ今どき切腹なんてない—————…って、
…あの副長ならやるな絶対...。」
——…土方十四郎。
鬼の副長と呼ばれ恐れられる。
勘が鋭く真選組の頭脳とも認められる。
常に開いた瞳孔、タバコ、マヨネーズ…
そんな単語を耳にすればそれは土方十四郎だ。
…と桂さんに教わった。
それに土方が作った局中法度の21条……。
【敵と内通せし者これを罰する】
「 はあーっ....
……やっぱり無理なのかな 」
叶うことのないこの恋をした私は
なんて無様なのだろう。
違うというのならば、私は
浪士にならなければよかったのだろうか。
永く吐かれた溜め息とその言葉が、やけに胸に突き刺さる。
それが辛くて、一人じゃとても居れなくなった。
すると勝手に体が動く。
—…そうだ。
こんなことを絶対に言えない桂さんでもなく、
私の敵でもないあの人のところに行こう。
日影くん宛てに書いた手紙と、冷蔵庫にあったケーキをもって
私は急いで会議所をあとにした……。
あの人じゃ良い答えが出るかは分からないけど、
—————…ただただ、聴いて欲しい。
叶うか叶わないか分からないこの恋を…この想いを…—。
@next**