二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ■銀魂/ 日向と日影 /夢■ ( No.3 )
日時: 2011/02/28 19:37
名前: くろねこ。 (ID: LMLu5hTj)

■+/分かっていたはずの存在 ヒナタside。

ポツリ...

..ポツリ

「...あ、雨だ。」

右の掌を空に向け、上を見上げれば
薄暗く、灰色になった曇天が空を覆う。


「...そろそろ戻ろうかな。」

私は買い物袋を持ち、傘をさした。


——私はニ年前、狂乱の貴公子などと異名を持ち
  攘夷活動をしている桂さんに憧れて攘夷浪士になった。
  攘夷浪士っていっても私は主に、雑用。

  「女に危険なことはさせられぬ…。」

  桂さんがそう言うので、大人しく買い出しや情報集め。
  ...それが私の仕事である。


***

「只今帰りました——… あれ、桂さんは?」

歩くこと数十分。辿り着いた場所は、私の仲間。
…いや、兄貴分とも言える浪士達が集う会議所。


「エリザベスさんと散歩に行ってからまだ戻ってこなくて…」

——散歩ってどこぞの老人かよww
  人にこんな、んまい棒買わせといてぇっ!!

……ニ年前の私に問う。
  桂小太郎の何処に憧れたのだ?
  
  格好いいのか悪いのか…、
  分からぬまま早二年。

  それでも私は浪士を辞める気は一切ない。

  
「—っと! すまぬ待たせたな。」
堂々と屋根から現れ、ずぶ濡れで窓から顔を出すのは

————噂のお方。桂さん。

「遅かったですね。何かあったんですか?」
そう言いながら、エリーと一緒に帰ってきた桂さんにタオルを渡す。

「 いや、散歩途中に"真選組"に追われて——。」

———真選組。 江戸の治安を守る武装警察。
   云わば、攘夷派である私達の.....敵。

そんな事は分かっていた。
私は浪士で真選組は敵であるということを、

————————————分かっていた……はずだった。



@next**