二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.5 )
日時: 2011/02/28 22:02
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第1話 とりあえず、郷に入っては郷に従っとけ。大丈夫だから。


 銀時、新八、神楽、そして翔の4人の前に、武将達が正座で対面していた。
 しかも、椅子の上で。
 椅子の上で正座をするなんて、どこかの馬鹿がやっていれば良いのだが。まぁ、作者もそれをする馬鹿の1人と言う事で。

「で、あなた方は天井に開いた穴から落ちてきた……んですよね?」

 新八は、武将達に確かめるように訊いた。
 あぁ、とそっけない返事を返してきたのは、三日月の前立てをつけた隻眼の青年である。歳は19ぐらいだろうか。
 さぁ困った。困ったぞ。異世界の奴らが、江戸の世界にやってきちゃったぞ。

「まぁとりあえずだな、名を名乗れ。そのあとに警察に突き出してやるから」

「てめぇらから名乗りやがれ。それが礼儀ってもんだろうが」

 超俺様態度を見せる、隻眼青年。銀時の顔に青筋が立ちました。
 しかし、ここは大人の威厳の見せどころ。翔を見るような目で我慢した。

「ここ、万事屋銀ちゃんのオーナー、坂田銀時だ」

「従業員の志村新八です」

「歌舞伎町の女王、神楽ネ」

「……東翔だ」

 と、とりあえず名乗っておいたが。武将達は怪訝そうな表情。
 新八が不思議に思ったのか、何故そんな顔をするのか訊いてみると。

「名字があるって事は、どっかの武将か?」

「ハイ? 武将?」

 思わず首を傾げる3人。1人——翔は、どうでもいい様子。ふわぁ、と欠伸なんかしてやがるよこいつ。
 何故こんなところに、武将なんかが出てくるのだろう。というか、廃刀令のご時世に、武器所持なんてしていたら討ち首獄門さらし首。
 え、翔? 翔は死神だから。外に出る時、鎌を透明にしてるんだ、こいつ。

「武将だって言うんなら、容赦はしねぇ。You see?」

 隻眼少年、後ろに居るゴツイお兄さんと一緒に抜刀。しかもよく研がれた綺麗な刀——じゃなくて!!
 このままだと殺されるぅ!! 生命の危険!!
 銀時は、頼みの綱である翔をゆすった。

「おい、おいおいおい。こいつらを止めてくれよ。俺ら殺されちゃうよ?」

「ふーん。俺が手を下す必要はねぇんだし、このまま殺されてさっさと地獄へ逝け」

「おいぃぃぃぃ!!! 仮にも俺、君を養っているんですよ?! ねぇ、正体の分からない君を雇っているんですよ?! お願いくらい聞いてよ!!」

「大丈夫だ、そこの女顔もまとめてあの世に送ってやる」

 そんな言葉を聞いた瞬間、翔の動きが止まった。
 辺りが水を打ったように静かになったと同時に、ものすごい殺気が翔からあふれ出す。
 ゆらりと立ちあがり、翔はにっこりとした笑顔を浮かべた。
 ————後ろから般若が出ている、そんな黒い笑みだったが。

「へぇ。へぇぇぇぇ。俺を殺す? やってみろよぉ。殺せよぉ、殺せるもんなら殺してみろよぉ」

 両腕を楽しそうにブンブンと振りながら、隻眼青年を挑発する翔。とても怖い。
 だが、そんな状況を楽しんでいるのか、青年は笑みを浮かべた。
 こいつ……慣れている?!

「面白ぇ。Let's Party!!」

「ま、政宗様!!」

 ゴツイ顔のお兄ちゃんは、青年を止めようと腕を伸ばしたが、見事に空振り。
 青年は机を踏み、翔に向かって刀を振り上げた。
 刹那、翔と青年の襟元がつかまれ、窓の外へ放り投げられた。
 4月のお空の星となった2人。銀時、新八及び、武将達はギギギ、ギギギと錆びた機械音がなるかの如く、首をとある方向へ向けた。
 そこに居たのは、綺麗な空と同じ色をした髪の毛と、深海色の瞳をした少女が、笑っていた。

「何をしてるのかな? まだ、お昼時なんだけど? うちらは、朝なんて大嫌いなんだよ?」

 手に持った湯呑を握力で捻りつぶし、少女は歌うように言葉を紡ぐ。
 そこへ、翔が気絶した隻眼青年を連れて、万事屋へ戻ってきた。そして少女を見るなり、金切り声を上げる。

「何をするんだ、雫!!」

「黙らっしゃい!! 騒ぐんなら、外でやって!!」

 少女、雫は机を踏みつけてどなった。
 哀れ、机は雫に踏みつけられた途端、バキッと音と共に粉砕された。