二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.113 )
日時: 2011/04/12 18:38
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第9話 忍者? うちにも居るでしょーが!!


 おかしい。どう考えてもおかしい。明らかにおかしい。
 何が? 周りの奴らのテンションである。
 翔はため息をつきながら、隣に立つ凜を小突いた。何、と返事が返って来る。

「時に言うが、お前は普通だよな。この忍者大作戦に加担しないよな?」

「何を言っているの。こんな馬鹿なお遊びに付き合っている程、私は暇じゃないわ」

 凜はフン、と鼻を鳴らし、向こうに見える奉行所を見据えた。
 辺りは暗い。完全なる夜に溶け込む(似非)忍び一行は、奉行所に向かって走りだした。
 その後を追う翔と凜。完全に呆れている。

「もう雑魚はお前に任せるわ。俺は帰る」

「待ちなさい。あなたには居てもらわないと困るわ」

 帰ろうとする翔の襟首を掴み、凜はにっこりとした笑顔を作る。
 凜の手を振り払い、翔は舌打ちをした。ご機嫌が一気に真下へ。あーぁ。

「何だよ、後で処理は俺がやるから、お前はそこら辺の奴とお奉行を殺してこい」

「————あの我流忍びが、ここに雇われているらしいのよ」

 声をひそめ、凜は深刻そうに言う。
 後から風魔が「どうした」と訊いてきたので、翔は風魔に「先に行け」とだけ告げると、凜の話に集中する。

「何年の間、姿を消していたのかしら。山の奥に幽閉されていたはずなのに」

「江戸の街に下りてきた訳か。でも、一体何が目的だ?」

「さぁ? でも、分かる事はただ1つね」

 凜は舌打ちをした。


「世界が崩壊し始めるわ」


***** ***** *****

 翔達を置いて銀時達は、奉行所へ乗り込む。
 後からシノとミウが合流し、(何故かシノとミウは血に汚れていた)トラップが仕掛けられている廊下をひた走る。

「ねぇ、翔達は大丈夫な訳?」

「知らない。でも、置いて行けって言ってたから……。大丈夫だよ、翔さんは死神だし」

 新八があはは、と笑いながら答えた。
 ふーん、と返したシノは、前を睨みつける。
 木製のドアが閉じられているが、この先からとてつもない殺気が感じる。
 シノがフープを構えた時、ミウが後先考えずに特攻して行った。流石馬鹿。

「……ミウ、掛け算は言えるかしら?」

 静かに怒りを込めた声で問いかけるシノ。
 ミウは木片を払い落しながら、笑顔で「言えません」と答えた。やっぱり馬鹿だ。

「ふふふ、来たか」

 奉行、遠山は扇子で自分をあおぎながら、ニヤニヤと笑う。
 何かムカついたのであろう、孫市が懐から銃を取り出し、遠山に向かって突き付けた。

「エリザベスとやらを返してもらおうか。そして顔の皮をはぐ」

「何をしてるんだお前は?!」

 後から部屋に駆けこんできた翔と凜は、今にも攻撃をしそうな全員に突っ込んだ。

「え、翔?! 一体どうしたの?!」

「後ろだ!!」

 刹那————殺気。
 シノが反応してフープで苦無を叩き落としていなければ、行き先は孫市の心臓だった。
 肌で感じる痛いほどの殺気。と、同時に風を連れて忍者が現れた。しかも5人。

「フリーター戦隊、忍び5……」

 情報屋の凜、敵の名前も知っているとは恐れ入りました。
 だが、その殺気は彼らの物ではなかった。

「おーい、+1の奴はどこ行った」

 リーダーである服部全蔵は、辺りを見回してつぶやく。
 え、5なのにもう1人居るの? まさか〜。

「ハイハイ。お呼びでぇっとォ」

 スタンッと音がして、翔の後ろに殺気が放たれた。
 反射的に炎神を抜き放ち、翔は後ろに居る誰かに刃を突き付けた。
 視界に入ってくるボサボサの黒髪。眼帯に碧眼、細身の長身の青年。

「……てめぇ……」

 犬歯を剥きだして、翔は青年を睨みつけた。
 ヘラヘラと笑う青年は、「こいつ誰?」と語っている万事屋一行に名を告げた。

「俺様は王良空華。我流忍術使いでーす」