二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.114 )
日時: 2011/04/13 19:11
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第9話 忍者? うちにも居るでしょーが!!


 眼帯碧眼忍者——王良空華は、にっこりと笑って現れた。手にはきちんと苦無を持っていた。
 翔は持っていた炎神を持ち直し、そして息を大きく吐いた。
 こいつは、何だか危ない予感がする。本気を出さなければ負けるかもしれない、下手すれば死ぬ。

「……何故、江戸に下りてきた?」

「え、理由が知りたい訳? そんな大したことじゃないんだけどなー」

 空華は苦無を持っていない方の手で自分の頭をガシガシと掻く。
 そんなおちゃらけた雰囲気を醸し出して、友好的な空気が漂うが翔は炎神を下ろさなかった。

「俺様はねー、幽閉されてるところをお奉行に雇ってもらったの。出してもらった♪」

 音符付きで話す空華。
 次の瞬間、翔が炎神を振り上げ、空華に襲いかかった。
 しかし、空華はその攻撃を苦無1本で受け止め、翔を払い落した。

「まったく。いつからそんな攻撃的になっちゃったのよー。昔はそんなんじゃなかったでしょ」

 翔の攻撃を1つ1つ丁寧に叩き落としながら吹っ飛ばす、余裕の笑顔を浮かべる空華。
 攻撃を全てよけられ防がれ、イライラが最高潮に達した翔。炎神から溢れんばかりの炎が飛び出す。
 炎の熱気に気付いたのか、シノが翔に向かって叫んだ。

「今ここで技を使ったら、皆が死んじゃうよ!!」

「その時は俺が天国に送ってやる」

 無責任な言葉を発した翔は、炎神で天を突いた。
 瞬間————炎で出来た蓮の花が辺りに咲き乱れる。1つや2つだけではない、何十、何百と咲き誇る。
 口笛を吹いて感心している空華は、ハッと周囲の雰囲気に気付く。
 自分と翔の周りに、何か薄い結界みたいな物が張ってある。薄い膜のような、バリアのようなそんな障壁だ。
 と、同時に翔が笑っているのが見えた。嘲笑、あるいは憐れんだようなそんな笑みだった。

「死神って、感情を見せちゃいけないんじゃなかったの?」

「人の死に際には、笑顔で送ってやらないとな。可哀想だろう?」

 嘲翔から優しいほほ笑みに、翔は凜とした声で言葉を紡いだ。


「地獄業火————華焔円舞(かえんえんぶ)」


 直後、炎の蓮が綻び、花弁が空華に襲いかかる。
 翔の攻撃をもろに喰らい、空華は床に倒れ伏した。そのままピクリとも動かなくなってしまう。
 薄いバリアがシャボン玉みたいに弾けて消え、涼しい空気が流れ込んできた。

「空華、死んじゃった?」

「…………」

 シノの問いに、翔は何も答えなかった。ただ倒れた空華を見据えるだけである。
 周りの空気がシンと静まり返る。
 あーぁ、ついに殺しちゃったかー、と思った矢先、翔が空華の体に刃を突きたてた。
 普通ならここで血が出るはずなのだが、空華の体からは血が出なかった。

「え、しょ、う?」

 混乱している凜は、震える唇から声を紡ぎ出した。
 翔は何も答えず、そのまま空華の体に刃を滑らせる。と、その時、

「ちょっとぉ。偽物(コピー)をそんなにキズものにしないでよー」

 飄々とした声が降って来て、同時に空華の体が消えた。
 翔の表情に、自然と笑みが浮かぶ。

「来たか、空華」

 夜空を背に現れたのは、黒いTシャツに黒いジーンズという江戸にはふさわしくない格好をした笑っている青年だった。
 そう、そいつは先ほど消えた王良空華とまったく同じ人物である。黒髪ボサボサの眼帯碧眼青年。

「幽閉? 何の事? 俺様はァ遥か未来からやってきちゃった我流忍者ですけどォ?」

「だ、そうだ。幽閉されていたのは偽物らしいな」

 遠山を見上げ、翔はニタリと笑みを浮かべる。
 空華は退屈そうに欠伸をして、翔に問いかけた。

「ねぇねぇ、あの人さァ。殺っちゃってもいい訳? 俺様、ぶっ飛ばしちゃうよ?」

「思い切りやれ。殺すのは勘弁しろ、俺が怒られる」

 またも無責任な発言をして、翔は後ろへ下がった。
 やっほー、と嬉しそうに叫び、空華は苦無を構えた。青いオーラを帯び、空気が氷のように冷たくなる。

「空ヨ」

 空華の口が、淡々とした言葉を吐き出させた。

「花咲キ花散リ、夢ヘト終ワレ。   我流忍術、『空華の術』——オ了リ空」

 翔が作った赤い花とは対照的な、白い花。その花弁が散り、遠山へ襲いかかった。
 忍びの野郎どもが叫ぶのが聞こえた。
 空華には聞こえていなかった。


 全てが終わっt————。



「で? 空華、何をしてたの」

 シノは腕を組み、ドスのきいた声で空華に問う。
 一方の空華はうつむき加減で正座をして、「申し訳ないです」とつぶやいていた。

「幽閉されていたなんて思ってたんだけど、未来へ帰ってたの?!」

「ハイ。そうです。帰ってました」

 しゅん、と静かに言う空華。反省しているようだ。
 ため息をついた全員。代表として、銀時が空華に質問をした。

「お前、これからどうすんの? 殺し屋でもするの?」

「しないしない。しないしない。俺様、フリーターで生きるよ。忍びだから何でも出来るしね」

 お前、フリーターてww ちょ、おまww
 まぁいいか。たまに活躍させる具合で。とりあえずエンド!!